6話 ルイの固有スキル
それから、俺達はできるだけ草原でモンスターを倒すようになった。そして、勇者の集会の前日、俺は念願のレベル10になった。
「よっしゃー!!ついにレベル10だ!!」
何故こんなに喜んでいるか。それは最初から固有スキルを持っている勇者と違って、一般人が固有スキルを獲得できるのがレベル10の時だからだ。
さて、一体どんな固有スキルが待ってるのかな
俺はウキウキしながらステータスカードを確認した。そこに書いてあったのは、
「ステータスアップ……?」
なんだ、この地味な固有スキルは。
そう思っていたのだが、
「ルイ、今ステータスアップって言った……?」
シオリはなぜか驚いた顔をしていた。
そして、俺のステータスカードを凝視する。
「嘘……本当にステータスアップだわ……」
「だからそう言ったじゃんか。なんだ、地味だからって馬鹿にしようってんじゃないだろうな」
「何言ってんの。ステータスアップは最強の固有スキルよ」
え、ステータスアップが最強の固有スキルだって?こんな地味なのが?
ステータスアップってただちょびっとだけステータスが上がるだけだろ?俺のステータスは一般人レベルなんだから少し上がったからって意味がないのだ。
「嘘つけ。どうせおちょくってるんだろ」
「嘘じゃないわよ!ステータスアップって数倍にステータスが上がるの。だから同じレベルだったら普通の人でも勇者に負けないぐらいのステータスになるの」
「勇者に負けないぐらいだって!?」
散々疑ってはいたが、勇者のシオリがこんだけ言っているなら本当かもしれない。
俺はここで理解した。やっぱり異世界転生者は強いのだ。
俺は勇者にはなれなかったが、勇者同等、いやそれ以上の力は持っているのだ。
「俺は最強だったのか!!!」
この後、どんな楽しい異世界ライフが待っているのだろうか。シオリと一緒に魔王を倒して贅沢な暮らしをするのもよし。途中でハーレムをつくり、女に囲まれながら生きるのもよし。
そんな妄想をしていると、
「うん?ちょっと待って、ステータスアップの横になんか小さく書いてあるわ」
「なんだよシオリ。俺は今、今後の計画を考えてて忙しいんだ。後にしてくれ」
「1日1回3秒間のみ……?」
「へ?」
何か嫌なことが聞こえた気がする。
いや、そんなことはない。大丈夫だ。もう1回聞いてみよう。
「な、なんて言った?」
「1日1回3秒間」
嘘だと信じたくて自分の固有スキルの横を見てみると、確かに1日1回3秒間と書いてあった。
「なんでだァ!!!!!!!!!」
3秒で何ができるんだ!
膝から崩れ落ちる俺を見てシオリは必死に励まそうとする。
「まぁ……3秒間だけ勇者ぐらい強くなれるんだし、良かったじゃない!元気だして!」
「こんなのあんまりだ……」
やっぱり俺の異世界生活はうまくいかない。