59話 傷心したルイ
エロ本番人を倒した後、特に何もなかったので帰った俺達だったが、
「ルイさーん、いつまでしょぼくれてるんですか?」
「私が落ち込むならまだわかるけど。なんでルイがそんな落ち込んでんのよ」
「……」
俺はエロ本を失ったショックで動けないでいた。確かに迷宮城に行った目的はシオリが有名になりたいからといったものだったからシオリが落ち込むのが普通かもしれない。しかし、この世界で初めて見つけた本物のエロ本を読む前に失ってしまった俺のほうが可哀そうだ。
「せっかくいいクエストを見つけたのに。リボンたちだけで行っちゃいますよ?」
「……」
「もうほっときましょ」
「えぇ……」
動こうとしない俺をみて呆れたシオリは俺をおいてクエストへ行こうとする。しかし、リボンがどうしても俺を連れていきたいようだ。もしかして俺のこと……と思ったが違った。
「シオリさんとクエスト行くと何が起こるかわからないから怖いんですよ。ルイさんもついてきてくださいよ……」
そう小さな声で俺に言う。リボンも最近二人でクエストに行くことが増えたおかげでようやくシオリの魔法のめんどくささに気付いたようだ。
もっと苦労してこい
俺はそう思いながら無視していると
「ねぇ無視しないでくださいよ!このままずっと二人ではさすがに……」
「さすがに?なに?」
リボンは声が大きくなっていることに気付かず、シオリの耳に届いてしまう。
「いやさすがに申し訳ないかなぁって……報酬も山分けですし……」
「なるほどね!別にそんなの気にしなくていいよね、ルイ」
「うん、気にしなくていいぞ。だから二人で行ってこい」
「あー!さっきまでずっと黙ってたのにこんな時だけ!ずるいです!」
「いいからはやくいくよ!」
「はい……」
こうして二人は仲良くクエストへと出かけたのでようやく落ち着く時間が作れた。
俺は今傷心中なんだ
傷ついた心をいやすためにソファの上でゴロゴロし始めてすぐのことだった。
家の扉がゴンゴンと叩かれた。
なんだ、あいつら忘れ物か?
めんどくさがりながらも起き上がりドアを開けると、そこにいたのはシオリたちではなかった。
「よぉ。なんか元気ないんだって?」
レイの導人であるフレイだった。




