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52話 迷宮城攻略⑦

鉄の球と壁の隙間をくぐりぬけ、俺達は先へと進んでいく。そこからどんどん厳しいトラップが待ち受けているのかと思いきや案外簡単に突破することができた。例えば、巨大な危険生物がたくさんいる水中を泳いで渡らないといけないステージも、シオリが魔法で全てを凍らせることができたので難なくクリア。マグマのステージもシオリの水魔法でマグマを固まらせてしまい何事もなくクリアした。俺とリボンだけでいってたらすぐに死んでたと思うのだが、規格外の魔法使いシオリがいるおかげで後半はただのヌルゲーとなってしまったのだ。


「途中から凄い楽チンね」


「ここの製作者もシオリみたいな馬鹿げた魔法使いがいるとは思わなかったんだろ」


「ですね。おかげでやることがないです」


「ま、勇者だからね!次もまかせて!」


シオリはそう言って次の部屋への扉を開けると、そこにあったのは宝箱とドアだけだった。


「宝箱があるけど……ここがゴールって訳ではなさそうだな」


「あ、壁になにか書いてますよ」


リボンに言われて壁を見てみると、【ここまでよく頑張った!ぜひ宝箱を開けてみてくれ!】と書かれていた。


「なるほど。それじゃさっそく……」


「何開けようとしてるんですか!明らかに怪しいですよ!」


壁に書いてあるとおり宝箱を開けようとすると、リボンが焦って俺をとめる。


「なんだよ!開けさせろよ!」


「知らないんですか?モンスターの中に宝箱のフリをして冒険者を襲う卑怯な奴がいるんですよ!開けた瞬間にバクっと食べられちゃって即死なんてこともたくさんあるんですから」


「で、でも……」


「ルイ、さすがにやめといた方がいいと思うわ」


リボンだけでなくシオリにもとめられてしまう。それでも開けたいと思っていたその時、


カタカタ


宝箱が微かに動いたのだ。


「動いた!やっぱりモンスターなのね!」


「見ましたよね。だから早く次の部屋にいきますよ」


「そ、そうだな……」


こんなところにポツンとおかれて少し動いたいかにも怪しい宝箱。ほぼモンスターとしか考えられないが、俺の中の何かがどうしても開けたいと疼いている。


いや、ダメだ。さすがにやめておこう。


そう思って宝箱から離れようと思ったのだが、


「あ」


気づいたら宝箱を開けてしまっていた。


「え」


「ルイさん!?」


俺はその瞬間ずるっと宝箱の中に引きずり込まれる。やってしまった!と思ったのだが、何も痛みを感じない。不思議に思い目を開けてみると俺は大きな書斎の中に立っていた。

何が何だか分からなくなっていると、後ろからシオリとリボンが俺の名前を叫んでいるのが聞こえる。振り返ると、そこには黒い渦があった。


「まさかこれワープ装置か?」


初めて見るものだが、この迷宮城のつくりを考えたらこういうのがあっても不思議じゃない。

俺はとりあえずワープ装置と思われる黒い渦に触るといつの間にかさっきの部屋に戻っていた。


「ルイ!?」


「ルイさん!?」


2人は俺が死んだのかと思い鼻水を流しながら泣いていた。


「もう!本当に死んだと思ったんだから!」


「食べられたらリボンの魔法でも治せないんですよ!」


昔からの仲のシオリだけじゃなくて最近仲間になったリボンまでこんなに泣いてくれるとは。

なんだか少し嬉しくなってしまった。


「何笑ってるの!」


「ごめんごめん。でもこの先にいいもの見つけたぞ」


「宝箱の中にですか?」


「あぁ、この宝箱がワープ装置になっていてな。この先に大きな書斎があるんだ 」


「え、じゃあこのドアは……」


この怪しい宝箱がワープ装置になっているならこのドアは何のためにあるのか。

俺はまさかと思い、持ってきてた食料をドアにむかって投げる。すると、ドアに巨大な口ができバクっとその食料を食べてしまった。


そのおぞましい光景を見て、2人はすっかり涙がひいてしまっていた。


「私、なんでここを突破した人がいないのかわかった気がするわ……」


宝箱を開けて本当によかったと思った俺達だった。

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