45話 迷宮城ってどんなとこ
「迷宮城?」
「あぁ、100年以上前に突如できた城でな。名前の通り城の中が迷宮になってるんだ。複雑になってるだけじゃなく、トラップや強い魔物がたくさんいるから今まで突破した人がいない」
100年以上も突破した人がいないのか。だとしたらそうとうむずかしいのだろう。それでも
「突破したら名が知れ渡るってことか」
「そういうことだ。それにそこまでして城に入れたくないってことは奥にとんでもない宝が隠されてるかもしれない」
「有名になれてお金も稼げるかもしれないってことね。一石二鳥じゃない!」
それなら行ってみる価値はある。しかし、1つ問題がある。
「でも室内じゃシオリさんの魔法は使えないんじゃ?」
シオリが使い物にならないってことだ。だが、その心配は無用だった。
「安心してくれ。冒険者たちの情報によるとその建物は見たことも無い結界がはられていて物理攻撃も魔法攻撃も効かないらしい」
「結界か。この前見たやつと多分一緒だな」
「なら私も魔法が使えるね!」
あのガーラの攻撃でもシオリの魔法でも傷1つ付かなかった結界と一緒なら、シオリが室内で魔法を使っても安心だ。
「これは迷宮城までの地図だ」
ギルドマスターは棚から地図を取りだし俺達に渡してくれた。
「ありがとうございます!」
俺達はギルドマスターに深々とお礼をする。そして、帰ろうとした時
「ちょっといいか?」
ギルドマスターが俺達を呼び止める。
「はい?何ですか?」
「強敵とか財宝を探してる理由だけ聞いていいか?」
あぁ、そういえばまだ言ってなかったな。
「私、有名になりたいの」
「有名になりたい?」
「そう、私だけ勇者として認識されてないし」
シオリがそう言うとギルドマスターは苦笑いをしながら言う。
「はは、そうか。私も昔は有名になりたくて頑張ってたなぁ」
「それならギルドマスターは有名になれて良かったですね」
俺は最初は知らなかったが、冒険者の中じゃギルドマスターはかなり有名な方だ。
だが、ギルドマスターはあまり嬉しそうな顔をしてない。むしろ少し落ち込んでいる様子だった。
「有名になるってことはいい事ばかりじゃないぞ」
「そうなの?」
「そうだ。私は強くなって有名になってから色々な男が寄ってきた」
「モテていいじゃんか」
何だこの人。急に自慢か?
「あぁ。私も嬉しかったよ。でも付き合う前に逃げられるんだ。少し機嫌が悪かったりするとすぐに逃げていく。顔が怖いだの殺さないでだの女じゃないだの……」
「「「……。」」」
この時、俺以外の2人も思っただろう。
多分、有名になったせいじゃなくて元からの性格とかのせいだ。
この人が機嫌が悪いと逃げ出したくなるくらい怖いからな。
だが、そんなこと口に出せるわけが無い。
「そ、そうなんですか」
「わ、私も気をつけよ〜」
「気をつけな。この前だって……」
「あ、俺達この後忙しいんで今度聞かせてくださいね!」
「あ、あぁ。わかった。気をつけてな」
このままだと話が長くなりそうだったので、そそくさと部屋から脱出した。




