41話 落ち込むシオリ
「う、嘘でしょ……?」
ハブられたという現実を目の当たりにしたシオリは膝から崩れ落ちる。
だが、シオリの心をボロボロにしたのはハブられたことだけが原因じゃなかった。
「きゃー!ライト様!イケメンすぎる!!!」
「ラジール様の筋肉、たくましいわぁ」
「レイ様は相変わらずお美しい!」
勇者達は民衆たちの声に、笑顔で手を振って応える。
そう、ほかの3人の勇者は人気者なのだ。歩く度に声をかけられている。どこかの暴走魔法使いの勇者様は歩いていても声をかけられることはまずない。
「私、勇者……」
勇者にハブられたのと人気がないとういうことがシオリのメンタルを完全にやってしまったのだ。
「でもなんでシオリはこんな人気ないんだ?」
「リボンもギルドマスターから聞いて初めて勇者だと知ったぐらいですからね。シオリさん王様にも嫌われてるみたいなので、情報を隠してるんじゃないですか?」
「なるほど……」
あの性格の悪そうな王様ならやりそうだ。
フレイの話によると、魔王幹部ガーラを倒したのもシオリだと発表しなかったぐらいだしな。
そんなことを話している間に、ライトが立ち止まり大きな声で遠征の内容を発表した。
「今回、僕達は魔王の幹部の居場所をつきとめた!準備が整い次第、幹部を討伐しにいく!」
「おぉ!!!さすが勇者様!!!」
「頑張ってくれよ!!」
勇者の発表に、民衆達の歓声がこれでもかと鳴り響く。
「もう帰る……」
シオリはその光景を見たくなかったのか、背中を向けて帰ってしまったので俺達も家に戻ることにした。
だが、家に帰ってからシオリはソファに顔を埋めて黙り込んでしまう。
「どうすんだあれ」
「うーん、困りましたね……」
ご飯を作っても食べようとしない。お風呂も入ろうとしない。ずっと1人にしてオーラを出している。
「こういう時ルイさんはどうしてるんですか?シオリさんと長い付き合いなんですよね?」
「こんな落ち込んだ姿初めてだからな」
「そうですか」
リボンにそう聞かれたのだが、俺もシオリのこんな姿は1度も見た事がない。第一、シオリは元々かなり人気者だったので、嫌われている噂も今まで聞いたことがなかった。シオリは嫌われることに慣れてないので今回はこんなにダメージを負ってしまったのだろう。
とりあえずこういう時は、励ますしかない。
「シオリ、あんま気にすんなよ」
「ムリ……」
「勇者の中でも幹部を倒したのはシオリだけだぞ?1番すごいじゃねぇか」
「でも皆その事知らない……」
「リボンはシオリさんが一番の勇者だと思ってますよ」
「気使わなくていいの……」
俺とリボンは目を合わせて首を横に振る。
これはもうだめだ。
やっぱりほっとくしかないのか。
俺達はシオリを立ち直らせるのを諦め、立ち去ろうとした時、急にシオリが起き上がった。
「そうだ。あいつらより先に幹部を倒せばいいんだわ!」




