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32話 初めての男友達

魔王幹部であるガーラを倒した俺達は久しぶりに各自で休憩をすることになった。


シオリと会ってから、借金を負ったり他の勇者と戦ったり、その後すぐガーラと戦ってボロボロになったりと忙しくて仕方なかった。

思い返せば思い返すほど相当頑張ってたな俺。


そんな自分にご褒美をあげるため、今日俺は大金を持って街に出かけている。

この大金を使って美味しいものいっぱい食べて、欲しいと思ったもの全部買ってやると意気込んでたのだが、


「どこにいけばいいんだ……」


俺はこの世界に来てから生きていくのに必死で娯楽は後回しだった。なので、買い物に行ったり美味しいものを食べたりしに行くことなんてなかったのだ。いい店がどこにあるのかなど全く分からない。


「どうしよ……」


悩みながらブラブラと歩いていると、いきなり後ろから声をかけられる。


「お前、ルイか?」


振り向くと、そこに立っていたのは見知らぬ金髪の男だった。


「誰ですか?」


「え!?わかんねぇか?」


何故か俺の名前を知ってる男の顔をまじまじと見る。たしかに、よく見ると少し見覚えのある顔だ。それでもやっぱり思い出せない。


「ごめん、わかんない」


「うぅ、まじか!俺はレイの導人だ!城で顔ぐらい見ただろ?」


レイって青髪美人の勇者のことか!

そう言われてみればコイツもいた気がする!


「お、思い出したか」


「ごめんごめん、そう言えばいたな」


「全然いーぜ!特に喋ったりもしなかったしな!」


失礼なことに忘れてしまっていたのに、全く気にせずにニコニコと笑っている。


「てか顔合わせただけなのによく俺の名前覚えてたな」


そう聞くと、そいつは前のめりになって興奮しながら


「そりゃああの勇者に勝負で勝ったからな!名前も覚えるぜ!」


あの少しズルをして勝ったやつか。

恥ずかしいからできれば忘れて欲しいが。こいつもそれに対して嫌味を言うんじゃないかと身構えていたが


「勇者に勝つなんてすげぇな!お前!」


思っていた反応とは全く違った。


「え、でもあれは少しズルかったからな」


「何言ってんだ、ズルでも勇者に勝ったことがすげぇぜ。俺はズルしても勝てなさそうだしな」


「そ、そっか。ありがとう」


あまりにもストレートで褒められるので少し恥ずかしい。あの少しズルをした戦いで褒めてくれるこいつはとても良い奴なのか、それともただのバカなのか。


「それでルイは何してるんだ?」


「俺は息抜きに買い物とか行こうと思ってたんだけどここら辺よく分からなくってな」


「それなら俺が案内してやるぜ!」


嫌味も全く言わないし、困ってたら助けてくれる。

こいつ、めちゃくちゃ良い奴じゃねぇか。


「本当か!ありがとう!」


「いいよいいよ気にすんな。てか、俺の名前言ってなかったな。フレイだ、よろしくなルイ!」


「あぁよろしく!フレイ」


俺はここに来て初めての男友達ができた。

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