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23話 vsガーラ②

今回の戦いで勝敗の鍵を握っているのは確実に俺だ。ガーラはまだ俺の固有スキルステータスアップを知らないので、俺の事をただの弱いやつだと思っているはずだ。

だが、勇者ライトと戦った時みたいに上手くいくとは思わない。それはガーラが油断していないからだ。この前俺達ににげられたからか、集中力が違う。


「ルイはちょっと離れてて」


「ごめんな」


最初はガーラの隙を探すために俺は見てることしかできないのだ。だからシオリ1人で戦ってもらうしかない。


「また女任せか……まぁいい。俺は女でも容赦はしないぞ」


「かかって来なさい」


少しの間、沈黙が続く。先に動いたのはシオリだった。


「ライトニング!」


激しいイナズマがガーラに向かって襲いかかるが、


「フンっ!!」


ガーラはそれを腕で弾き飛ばす。


「相変わらずの威力だな」


「まだまだこんなもんじゃないわよ!」


その後も激しい攻防が続くが、少しガーラの方が優勢だ。

シオリが様々な魔法をうつが、ガーラの馬鹿みたいに強力な力によって相殺されてしまっている。

そしてついに、一瞬の隙をつきガーラがシオリの懐に潜り込む。


「やば……」


シオリはすぐさま逃げようとしたが遅かった。ガーラの強烈なパンチがシオリを吹き飛ばす。


「シオリ!」


俺はダッシュでシオリのもとへ駆け寄る。


「いててて、骨にヒビ入ったかも……」


「大丈夫か?」


「うん、なんとか」


むしろあの威力の攻撃を食らってよくそれだけの怪我ですんだものだ。


「でも、このままいっても正直勝ち目がないわね」


あの馬鹿みたいな力のせいでシオリの魔法は通らないし、一撃が重いので攻撃に当たるわけにもいかない。

でも、もしシオリの魔法を一撃でもまともに入れることが出来たら流石のガーラでも相当ダメージが入るはずだ。その隙をつくれるのが今俺しかいない。


「何とかなりそ?」


「うーん、馬鹿みたいな作戦ならあるけど……」


「言ってみて」


「で、でも本当に馬鹿でアホで決まる可能性も低いぞ!?」


「いいから!このまま何も思いつかないまま負けるよりマシ!」


「わかった……」


俺はただパッと思いついた馬鹿な作戦をシオリに伝える。全部聞いた後のシオリの反応は、


「本当に馬鹿じゃない」


こんな時に何を言っているんだと言わんばかりの呆れ顔だった。


「だから言ったのに!」


はやく違う作戦を思いつかないと……

そう思い、作戦を考えようとしたところ、


「でもそれでいきましょ!」


「え?」


作戦を言ったのは自分だが、何を言っているんだとなった。この作戦は子供の妄想みたいなもので成功するとは到底思えないものだが、シオリは笑いながら言った。


「なんか面白そうじゃない」


「ハハ……」


コイツ、こんなアホだったっけ?


自分の死がかかっている中、面白そうというだけで決めたシオリに心底呆れた。だが、それと同時に肩の荷がスっと軽くなった。


「うん、これで行くか」


「そうこなくっちゃ!」


シオリは顔がいいから日本でもみんなから好かれてるとずっと思っていたが、こういう馬鹿で無邪気なところも皆が好きだったところなんだろうと改めてわかった。


「絶対失敗しないでよ?」


「おい、せっかく緊張がほぐれたのにプレッシャーかけるなよ……」


「冗談冗談」


「嘘つけ」


そう言うと、シオリは笑いながら立ち上がった。

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