17話 宝箱の中身
ロボットを倒したあと、俺達は扉の奥へと進んだ。そこの部屋には真ん中にぽつんと宝箱が置いてあった。
「宝よ宝!何が入ってるのかしら!」
シオリはすぐさま宝箱に駆け寄り、中身を確認する。その中に入っていたのは予想だにできないものだった。
「これってまさか……」
「何でこんなとこにあるんだ?」
「2人ともこれが何か知ってるのか?」
ガーラがこれを知らないのも無理はない。
中身はアニメのフィギュアと昔のゲーム機。つまりこの世界のものではなく地球のものであるからだ。
「これは俺達の故郷のものなんだ」
「そうなのか。特に戦闘に役立つものでもなさそうだし……でもあの人が言ってたのはこれで合ってるのか?」
ガーラはそう言って頭を抱える。
それにしても、金になるものじゃなかったか。フィギュアなんかこの世界じゃ大して需要もないだろうし、ゲーム機も電気がないからただのガラクタ同然だ。
それだったらこの宝はガーラに渡してしまった方がいい。どうせ後で倒すしな。
「ガーラ、この宝持っていっていいよ」
「本当か!お前達が見つけた場所なのに……」
「気にすんなって。ガーラがいなかったらあのロボットを倒せてなかったしな」
「そ、そうか。感謝する!」
ガーラは俺達に感謝しながら宝箱の中からフィギュアとゲーム機を取り出す。
こうなるとガーラを倒して賞金をゲットするしかないので、帰り道にどうやって奇襲をかけるか考えていると、
「あーあ。これでまた先延ばしね」
シオリが大きなため息をつきながら愚痴をこぼした。そしてこの後、シオリは大きな過ちを犯す。
「何が先延ばしなんだ?」
「借金返済よ」
「お前達借金してるのか?」
「そうなの。勇者同士の模擬戦の時に城をちょっと破壊しちゃってね……」
「お、おい!」
お前何言ってんだ……!
そう気づいた時にはもう遅かった。シオリが勇者と言った瞬間、辺りがピリつき始めた。これは、ガーラの殺気だ。
「貴様、勇者なのか……?」
「いや、その、これは違くて……」
シオリが必死に誤魔化そうとするがもう手遅れだ。
「あの人、いやもう隠さなくていいか。魔王様に勇者は見つけ次第排除しろと言われているからな」
「やっぱり魔王の幹部か」
「な、バレていたのか。じゃあずっと感じていた殺気はお前達からのものだったのか」
そう言って、ガーラは拳を構える。
「本気でかかってこい。死にたくなかったらな」




