118話 デニス大会開催
デニス大会当日、会場はお祭り騒ぎで大きな賑わいを見せていた。例年よりも観客が多いらしく、その理由は勇者が参加するからだということだ。この大会に、ライト、ラジール、レイ、シオリの全員がいる。参加者も勇者と戦いたいという人が多く、50人近くも参加したらしい。
そしてルールだが、ほとんどテニスと一緒で、一つ魔法を使ってはいけないということが追加されているだけだった。
「リボンは出ないのか?」
「はい。私は見てるだけでいいです」
「そっか」
それなら今回このチームから大会に出るのは俺とシオリだけということになる。
そして試合が始まってすぐ、シオリの名前が呼ばれる。
「よし、ボコボコにしてやるわ」
早速順番が回ってきたシオリはやる気満々で自信に満ち溢れていた。
「なんでシオリさん、あんなに自信があるんですかね。つい最近まで知らなかったのに」
そのシオリの様子を見て、リボンは不思議そうにしている。しかし、俺はなぜシオリがあんなに自信満々なのかを知っている。それは、日本の全国大会に出るぐらいシオリはテニスがうまいからだ。日本では基本何でもできていたシオリだったが、テニスはその中でもかなり得意なほうだと言っていた。
さすがそう言っているだけあって、相手に何もさせずにどんどんと点を稼いでいく。そして、
「ゲームセット!勝者シオリ!」
「う、うまいですね」
「まぁ、そんなもんだろう」
さすが全国経験者。一試合目を速攻で終わらせてきた。
「こんなもんか。これなら優勝も簡単だね」
帰ってきたシオリは汗一つもかいておらず、一つも疲れていないようだった。
確かに、シオリのプレーはうまかった。だが、俺だってテニスには自信があるんだ。
「いいや、俺が優勝する」
「やってみなよ。なんでそんなに自信があるのか知らないけど」
「ふん、教えてやる。俺は昔大学で陽キャの溜まり場のテニスサークルに入りたくて必死に練習したんだよ。女の子たちにうまいプレーを見せつけて…あ、テニスの話ね」
「黙れ。童貞」
「あ…はい。と、とにかくテニスがうまいところを見せてもてたかったんだ。結局テニスサークルはほとんどテニスしないって聞いて辞めたけど」
「あぁ…そう…」
シオリはまた呆れ顔をする。腹が立つが今はさせておけばいい。こういうのはプレーで見せつければいいのだ。
「じゃあ行ってくる」
「いってらっしゃい」
「いってら~」
俺はそう言って堂々とコートの中に入る。
そして、肝心の相手は
「君か…この前のリベンジ戦といこうじゃないか」
勇者ライトだった。




