113話 ギルドマスターの相談
ギルドマスターに連れていかれたところはおしゃれなカフェだった。店内は静かで落ち着いた雰囲気があり、コーヒーのいい匂いがする。
「意外か?私がこういうところに来るのは」
「あ、はい」
いきなり聞かれたのでつい本音が出てしまった。もちろんげんこつを一発もらった。
「痛い…」
俺は半泣きになりながら注文したコーヒーを飲む。コーヒーについてはあまり詳しくはないが、ここのコーヒーは香りが良く、思っていたよりもおいしかった。
「へぇ。おいしい」
「そうだろ?今日は私のおごりだ」
「あはは…やったぁ…」
もう自分で払うから帰りたい。
俺は早くこの用事を終わらせるために、さっそく本題に入った。
「で、相談ってなんですか」
そういうと、ギルドマスターは髪を触りながら顔を赤くする。
これはまさか…
「実は、グレイと仲良くなりたいんだ…」
やっぱりだ。乙女になったところから予想できたが、これは恋の相談だ。
さっきまでは帰りたいと思っていたが、急に楽しみになってきた。
「グレイに惚れたんですか」
「い、いやそういうわけでは…」
ギルドマスターは顔を真っ赤にしながら否定する。もともと顔はいいので、こう見るとすごいかわいく見える。俺はいじりたい気持ちを抑えきれず、
「嘘だぁ~。好きなんですよね?」
「ち、ちがう!」
「またまた~」
「本当だ!」
「とか言って?」
「お前いい加減にしろよ」
「はい、すいません」
調子に乗りすぎてしまい、もう一度げんこつをもらってしまう。
ギルドマスターをいじるのが楽しすぎてついやりすぎてしまった。
「それでどうすればいいと思う?」
ギルドマスターは再び乙女モードに戻り話を進める。
グレイと仲良くなる方法。正直言って難しい問題だ。なぜなら彼は女性恐怖症だからだ。しゃべることはできても、そこまで深い関係にはなれないだろう。
「う~ん」
どうすればいいか何も思いつかない。
それなら、まずは行動してみるべきだ。
「とりあえず、グレイのところに行きましょう」
「え!急にか?」
「はい、まず話さないと仲良くなれないでしょ」
「確かにそれはそうだが」
「ほら、早く」
ギルドマスターは少し悩んでいたが、残っていたコーヒーを一気に飲み干し立ち上がった。
そうして俺たちはグレイの家へと向かった。




