11話 卑怯者
「俺の勝ちだ!」
見事、俺はライトに先に攻撃を当てて勝利した。予想外の結果に歓声が沸くと思ったのだが、あまり周りは盛り上がってない。
何故だと思い周りを見渡すと
「あれ、皆なんでそんな顔をしてるんだ?」
王様、勇者にその導人全員が俺に酷い目線を向けていた。
「嘘のステータスを見せるなんて、卑怯ですね」
「卑怯じゃ」
「卑怯だな」
しまいには王様と勇者からのブーイング。
大体、ステータスは嘘をついてない。固有スキルを使っただけなのだ。固有スキルのところは隠しておいたのでみんな気づいてないわけだが。
確かに、ずる賢い作戦だったと思うがそれも勝負だから仕方ないのだ。
「卑怯とか関係ないよなシオリ!?」
俺はシオリに助けを求めるが、
「し、知らない……」
シオリはこれ以上嫌われたくないのか、知らんぷりを突き通してくる。
「お前、あと1億自分で払えよ」
「嘘です。ごめんなさい」
俺がそう脅すとシオリは凄い勢いで土下座をする。
こんな美少女が土下座なんて見るに堪えない。
こんな形だが一応勇者に勝ちはしたのだ。
約束通り借金は半額にしてもらう。
「王様、約束は守ってくださいよ」
「ふん、1億ぐらいどうだっていいわい。つまらん戦いを見せおって」
かなり不満げではあったが借金は半額の1億ダリにしてくれるみたいだ。
それでも返せる気はしないのだが……
こうして、俺にとっては初の勇者の集会が終わった。帰り際に、
「デタラメなステータス見せやがって!それでも男か!」
と、ライトに言われたが反論するのもめんどくさかったので無視した。第一、油断しなかったら俺に勝ててた訳だし、責めるなら余裕こいてた自分を責めて欲しいものだ。
とは言っても、
「全員に嫌われたなぁ……」
「まさかルイも嫌われるとはね」
王様も帰るまでずっと俺達のことを睨んでいたし、ライト・ラジール・レイの3人とも俺を卑怯者呼ばわりするし。
元を辿れば全部シオリが城を壊して借金したせいなのに、本人は全く反省した様子もない。
「元はと言えばお前のせいなんだぞ」
「・・・。」
「聞こえないフリしやがって。はぁ、でも文句言ったって仕方ないな」
「仕方ないわね」
「お前が言うな」
異世界生活開始早々、借金1億ダリとはかなり悪いスタートをきってしまった。それでも、一応勇者のシオリもいるし、ステータスアップも使いようによっては強いということがわかったし、案外上手くいくのではと思っている自分がいた。




