102話 人間砲
「お前達、球になれ」
「球…ですか?」
「あぁ球だ」
勇気を振り絞っていったものの、三人ともきょとんとしている。
俺は仕方なく手短に説明をする。
「あいつは多分極度の女性恐怖症だ。意地でもお前たちに触れないように戦ってたんだ」
「あー、確かに。ずっとあの気持ち悪いので攻撃されてたしね」
「そうだ。だから俺はグレイに女性を触れさせたら勝機が生まれると考えている」
ここら辺で段々と女性陣の顔色が変わってくる。たぶん作戦に気づいてきたのだろう。
だから俺とフレイは、完全に気づかれる前にレイとリボンを担いだ。
「冗談ですよね…?」
「る、ルイさん?」
ここで二人とも完全に気づいたのだろう。リボンはオロオロと怯え、レイに関してはグレイに向けられるはずの殺気がこちらに向いてしまっている。
「何を遊んでいるんだい?」
いきなり女性陣を担ぎ始めた俺たちを見て、グレイは呆れ顔をする。幸いこちらの作戦に気づいていないようだ。それなら今行くしかない。
「フレイ!行け!」
「了解!」
フレイは俺の合図とともに炎を右肩一点に貯める。
「フレイ!後で覚え…」
「行ってこーい!!」
フレイはレイの言うことを無視し、右腕にためた炎を一気に爆発させてグレイに向かって投げ込んだ。
「嘘だろ!?」
グレイは全く予想していなかったのだろう。少し遅れて触手による壁を作った。
だが、これは大丈夫だ。なぜなら道を作れと言ってあるからだ。
その指示通り、レイは目の前に立ちふさがる触手を一瞬で斬り刻む。これで次の人が通る道が作られた。
次の人はリボンだ。
「よいしょ。行くぞリボン」
「よいしょって何ですか!リボンが重いみたいじゃないですか!」
今気にするところがそこなのか。
確かに女性は体重を気にしている人が多いので、紳士的に気を使わないといけないのかもしれない。だが、今の貧弱なステータスならしかないだろう。むしろ人ひとりを普通に担げるまでに成長したことを褒めて欲しいもんだ。
俺は今まで使わずためていたステータスアップを開放する。
これを使えばリボンなんか羽のように軽く感じる。
「よし、投げるぞ!」
「はい!」
制限時間が五秒しかないのですぐにリボンをグレイのもとに投げつける。
悲鳴と共に、グレイとレイのところまで一直線に飛んで行く。
これで残りはシオリのみだ。
今回でやっと気づいたんですけど、名前に「レイ」がつく人多すぎですね。




