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101話 球になれ

「あぁもう…イラつくな…!」


俺たちがあまりにも逃げ回るのが相当頭にきたのか、グレイの凄まじい魔力がこっちにまで伝わってくる。


「ちょっとすごい怒ってるじゃない!」


「もう来ますよ!早く作戦を!」


今なら時間的にもちょうどいいか。

グレイとの距離的にギリギリなので急いで説明する。


「よし、三人とも横一列に三角座りしてくれ」


「は?こんな時に何言ってるの?」


「ふざけないでください!」


「そうですよ!おふざけなら後でリボンが付き合ってあげますから!」


唐突な意味の分からない命令に三人ともはてなマークが浮かんでいる。たしかに直前でこんな命令をされたら訳が分からなくなるのが普通なのだろうが、今は黙って聞いてもらうしかない。


「いいから早く!これも作戦の内なんだよ!」


「わかったよ…」


必死にお願いすると、三人とも心配そうにしながらもその場に座ってくれた。

これで三人の準備はほとんどオッケーだ。あとはこの後のことを説明するだけだ。


「それでこの後なんだけど、一人ずつやるべきことがある。まずレイ!」


「何ですか」


「道をつくれ!」


「道をつくれ?」


「あぁそうだ。あとできるだけ邪魔をしろ」


「はぁ…」


これだけではもちろんわからないだろう。だが、今はいい。この後すぐにわかるのだから。


「次にリボン!」


「はい!」


「当たって砕けろ!」


「あー…はい!わかりました!」


リボンはやっぱり何も文句を言わずにうなずいてくれた。


「そしてシオリ」


「はいはいはいはい」


「どでかいのをぶっ放してこい!」


「うん、まぁ何となくわかった」


これで一人ずつ言いたいことは終わった。それと同時に、グレイが俺たちのいるところまで到着した。


「そろそろ話し合いも終わったかな?ってそこの三人は何してるんだい?」


「疲れたらしいから休憩させてる」


「アーツカレター」


シオリがわざわざ棒読みでへたくそな演技をしてくれる。


「はは、ずいぶん適当な嘘だね。まぁいいや」


そう言って地面から大量の触手を出現させる。シオリ達がだいぶ減らしてくれたからか、さすがに数は減っているがそれでも多い。しかし、俺の作戦はそれも織り込み済みだ。


「どうせ勝つのは僕だ」


グレイは相当余裕なのか訳が分からなく座っている三人についてこれ以上言及してこなかった。

もう間もなく戦いが始まってしまう。その前に最後に三人にちゃんと作戦を言わないといけない。


駄目だ。緊張する…


これを言ったら確実にシオリとレイは怒る。

この感じは、家のものを壊したことを親に言う時と似ている。

それでも俺は黙っているわけにはいかない。


悩んでる暇はない。言おう!


既に作戦を知っているフレイが見守る中、俺は三人に作戦を伝えた。


「お前達、球になれ」



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