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1 うまくいかない異世界生活

暇な時にでも読んでください。

ある日、特に突出した才能もなく得意なことも無い平凡な男子高校生、田中ルイは事故にあって死んだ。しかし、次に目が覚めるとルイは見たことの無い街の中に立っていた。漫画やアニメが好きなルイはすぐに察する。


(異世界転生ってやつだ……!!)


異世界転生といったら、最強・名誉・ハーレムの全てを兼ね備えた男の夢である。


(あぁ、どんな冒険が俺を待っているのだろう!)


ルイは期待を胸に、第2の人生を歩み始める。





そして半年後、ルイはアルバイトをしていた。


「おい!お前!早く荷物もってこい!」


「は、はい!すぐに!」


「ルイ!それ終わったらこっち頼んだぞ!」


「わかりました!」


俺が今やっているのは大工のアルバイトだ。おっちゃん全員からこき使われているが、普段はご飯を奢ってくれたりするので悪くは無い。


そして、夕方まで働いたあと一日の給料を受け取る。


「ほら!今日の分だ。また明日もよろしくな」


「はい!ありがとうございます!」


朝から夕方まで働いて1万ダリ。ここは日本とほとんど一緒だ。

俺は宿に戻りシャワーを浴びてすぐにベッドに倒れ込む。


「今日も疲れたぁ……」


働いて宿に帰った後は何もやる気が起きない。また明日朝早く起きて仕事に行くだけだ。


明日も頑張るか……って


「ちがーーーーーーう!!!!!!何だこの生活は!俺は異世界転生者だぞ!冒険して、ハーレム作って、幸せに暮らしてるはずなのに!何でアルバイトなんかしてるんだ!」


俺は全く上手くいかない異世界生活に不満を爆発させる。

今まで力をつけようとしてギルドの最低レベルのクエストを受けたりもしてきた。でも勝てないのだ。その理由がステータスの低さにある。ステータスがオール1なのだ。

だが、異世界に転生してきてこんな生活はもうコリゴリだ。


明日はギルドのクエストを受ける!


そう決意し、次の日の朝俺はギルドに向かった。アルバイトは無断欠席したのでもう後戻りはできない。


「うーん、これがいいかな」


俺が手に取ったのはゴブリン討伐クエスト。この中でいちばん簡単なクエストだ。それでも死と隣合わせなだけあって報酬はアルバイトよりも高い。

場所はこの街の近くの草原、そこは初心者がレベル上げするためによく使われているところだった。俺は安い防具と武器を身につけてそこに向かった。



「いた、ゴブリンだ」


草原にいたゴブリンは小柄なのが2体。見た目はとても弱そうなのだが、俺はあの小柄なゴブリンに1対1で負けている。でも強くなるためには勝たないといけないのだ。


俺は草むらに隠れながらゴブリンに近づいていき、背後から一気に距離を詰めた。


「死ねぇぇぇ!!!!!」


いける!と思ったのだが、さすがは素早さのステータス1。ゴブリンごときに一瞬でバレてしまう。

背後から襲ったはずの俺は、いつの間にかゴブリンに囲まれていた。


「クソっ……」


それでも俺は武器を振り回す。


当たれ!当たれ!当たれ!!!


だが、俺の攻撃は全部避けられ逆にゴブリンの攻撃をくらってしまう。


「痛ってぇ!」


俺の足にはゴブリンの持っていた剣が刺さっていた。俺は足の自由が利かなくなり尻もちをつく。

ゴブリンは俺にトドメをさそうと笑いながらジリジリと近づいてくる。


(ゴブリンなんかに殺されるのか)


正直、異世界転生したら富・名声・力全てを手に入れれると思っていたのだが、そんな現実は甘くなかった。


「さよなら、異世界生活」


俺は泣きながら死を覚悟したその時だった。


「ライトニング!!!」


その声とともにものすごい威力の雷が自分とスレスレの距離で落ちてきたのだ。

ゴブリン2体はその雷に直撃し、丸焦げになっている。


誰かが助けてくれたのだ。その助けてくれた女の人がこっちに近づいてくる。


「ごめんなさい!ゴブリンを狙ったんだけど君にも当たらなかった?……ってルイ!?」


「本当に!!ありがとうございます!!って、しおり!?なんでここに居るんだ!?」


その女の人は、この世界にいるはずのない日本での幼なじみだった。






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