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楽しんだもの勝ち(千鶴)

作者: 狼花

 ・・・暑いわね・・・

今日は地域清掃の日。

街に捨てられた空き缶や紙屑を拾う班と

捨てられたゴミの分別を行う班に別れて行われる地域ボランティア。

今回も小学生の桃花と親子で参加している。


私と桃花はペットボトルを潰したり、間違って入ってる空き缶を取り出すという

ひたすら地味な作業に従事している。


 私が他の地域の参加者と世間話をしながら作業する間。桃花は黙々とペットボトルを潰しまくっている。

「桃花ちゃん。すごいですね。あんなに張り切って」

ご近所の方からは好感を持ってもらえたようだ

「え、ええ、まあ」

・・・うちの子は地域清掃に興味ないはずなんだけど・・・


「ちょっと、桃花」

桃花は黙々と機械のように作業を行ってる

「あ、お母さん。何かよう?」

「あんた、ボランティア活動に興味あったっけ? いや、いいことなんだけどね」

「え、でも楽しいし」

・・・ふぅん、楽しいね… 何かに目覚めたわねいいことじゃない・・・


 桃花はその後も終わるまでペットボトルを潰し続けた。


 「フゥ、疲れた」

ボランティア活動が終わり

家に帰って真っ先にシャワーを浴びた桃花がバスタオルで髪を拭きながら出てきた。

「お母さん、お茶」

「ほら」

私は冷蔵庫からお茶の入ったペットボトルを桃花に手渡す

「にしても、あんたいつからボランティア精神に目覚めたのよ」

・・・感心、感心。いつもそうしていれば問題児と言われなくなるわ・・・


 「え、ただ私は誰よりもペットボトルをたくさん潰すってゲームしてただけだよ?」

「え! ゲ、ゲーム…」

「そう、誰が一番ペットボトルを潰せるか自分で勝手にルール作ってやってただけ」

「そ、そう」

「だってね、そうでもしないとあんな地味な作業つまらないんだもん」


 ・・・この子にボランティア精神や奉仕の心を伝えるのは難しそうだ・・・

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