6 ハーブティー
邦画原体験の投稿を終わらせた後、実はあの後無性に「娼年」が観たくなり、しばらくネットサーフィンをした。
動画配信を楽天でも開始されたのを思いだし、楽天市場へとログインした。そして、早速、私は動画配信で「娼年」があるか調べ出した。
よくよくその動画配信の注意書きを読んでみると、そこには”レンタル”と表記してあった。つまり、購入した後、30日以内に視聴し、そしてその視聴を二日以内に終わらせるように、と表記してあった。
それではその場しのぎなので、そのまま「娼年」のDVDを購入することにした。あす楽というサービスの対象商品だったので、日曜日の昼間にはこのDVDが私が住む家に届く予定である。
あす楽というのは、要は某通販サイト「Amazon」のアマゾンプライムのようなものである。
その後、実は興奮してしまって、睡眠導入剤を飲んでも一向に眠気が襲ってこなかった。このままでは本当に眠れないと思った私は、オリジナルブレンドのハーブティーを飲んだ。
その頃は真夜中の二時頃だった。
ハーブティーに凝り始めたのは、新天地に引っ越して約四か月後の五月頃。友人に「カリス成城」というハーブとアロマの専門店が、相模原市のJR橋本駅の駅ビル「ミウィ」にあると聞き、共に向かった。
今はその友人は、精神を病んで病院に入院してしまっている。前の話「邦画原体験」の友人とは全く違う人物である。
実はその「カリス成城」に行く少し前、二週間程前に初めてハーブとアロマのセミナーに行ったことがある。そこでストレスに効くハーブの講座を受講した。
東京都の尾山台という所だった。初めて田園都市線に乗り、その尾山台に向かった。
私は初めて向かう所では必ずといっていいほど、道に迷う。だが、尾山台はわかりやすい場所だった。
その日の講座は、私一人しか予約をしていなかったので、マンツーマンでの講座だった。
フィトセラピーの講師の傍ら、普段は会社員を務めている、落ち着いた雰囲気を醸し出す上品な女性だった。
フィトセラピーという言葉は、日本語で訳すと”薬草療法”という意味らしい。要はハーブやアロマで体質の改善をしたり、ストレスを緩和したりする療法だ。
その講師の方と二時間程話して色々教えていただいた。
ハーブを売っているお店で「生活の木」という名前と「カリス成城」があるという話を聴いたのを憶えていた私は、その「カリス成城」に行ったのである。
今日もその「カリス成城」に行き、一気に七種類のハーブを購入した。
レモンバーベナ、レモングラス、リンデン、セントジョーンズワート、オレンジフラワー、マローブルー、そしてカモミールである。
この中で一番メジャーなのは、カモミールだろう。
スーパーではポンパドールというブランドが出しているハーブティーとして定番であり入門用としても丁度良いハーブだ。
これは本当に何でも合うハーブだし効き目も穏やかで丁度いい。様々なハーブと組み合わせる応用にも使える。
この七種類の中で、癖が強いというか、効能が医薬品並のハーブもある。
セントジョーンズワート、正式名称はセイヨウオトギリソウである。
これは飲んでみて自分も判った。効き目は半端ではなく強い。なので薬剤師の方に相談する必要があるのもうなずける。気軽には飲めないし、カリス成城の店員さんも”集中して四日飲んだら最低三週間は空けるのが身体にいい”と説明してくれた。
私のハーブティーは自分なりに考えた、独自ブレンドである。
ベースはカモミール。スプーンで3杯程、ティーパックに入れる。
そこに、レモンバーベナとオレンジフラワーを香りつけに一つまみ入れ、レモングラス、リンデン、パッションフラワーをスプーンで1杯から2杯入れる。パッションフラワーは1杯だけにしている。
そして、出来上がったティーパックをきちんとティーポットに入れ、お湯を注ぎ、大好きな音楽を一曲聴き終えた頃、マグカップに注ぐのだ。
そうして、飲む。大体、マグカップで二杯か三杯が適量。
少しフルーティーな香りがする、ハーブティーである。それを夜、十時頃に飲む時間は至福の時間だ。
昨夜は興奮していたので、沈静用にセントジョーンズワートをひとさじ入れて飲んだ。おかげですぐ眠気が指し寝た。
今は自宅でジャスミンティーを飲みながら、この原稿を書いている。
昼間、同じJR橋本駅の京王線方面に通じる道の下にあるイタリアンレストラン「ポポラマーマ」でランチを食べた。
そこにも様々なお茶がドリンクバーで飲める。
ジャスミンティーもハーブティーの一つともいえる。飲むと不思議と落ち着くし、口当たりも優雅で上品でパスタ料理にも合う。
いつもの「カリス成城」に気になるハーブがあったので購入してみた。
入浴剤にある「ブルーマロウ」というものだ。「カリス成城」にはマローブルーがそうだった。
気になるのがあると試したくなるのは、私の趣味で、非常に有意義な時間だった。
マローブルーは何かの本で「夜明けのハーブ」と書いてあった。
淹れるとブルーのお茶で、レモン汁を入れるとピンク色に変化するという。それが夜明けみたいに見えてくるので「夜明けのハーブ」と呼ばれているのだ。
丁度、家にはレモン汁が冷蔵庫に置いてあるし、今夜にも試してみようかと思う。
気持ちが少し塞いでいて、何だか脚もつる感じで違和感を感じる。
この心にある真夜中みたいなブルーな心を、マローブルーは癒してくれるのだろうか?
私は今夜、心の夜明けを信じて、この「夜明けのハーブ」を飲んでみようと思う。
明けない夜はないって誰かが言っていた。
なら、私はこの「夜明けのハーブ」を飲んで、心の夜明けを感じて、そして静かに眠りについて、今日起こったことを水に流そう。
そして、明日の日曜日はどっぷりとあの”恍惚”の時間に陶酔してしまおう。
そうすれば、忘れられるから。