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翔田美琴のぶっちゃけトーク   作者: 翔田美琴
ぶっちゃけトークコーナー3
27/29

16 五感とサイゼリア

 今、世間では毎日のように”新型コロナウィルス”のニュースで騒然としている。

 私がアロマテラピーアドバイザーの資格取得の為に、横浜の方へ出向いたときも、実は新型コロナウィルスの懸念がされる中での講習会だった。

 その頃の話は2月9日までさかのぼる。

 その日も今ほどではないが、新型コロナウィルスの感染が懸念されつつある状況下での講習会だった。

 私はその日は、かなり早くホームから出発し、実は午前11時には既に講習会の会場がある横浜市へと到着していた。

 その時のニュースで、クルーズ船の客から新型コロナウィルスの感染者が出たというニュースは今、国会でのやり玉にあがっている。

 それはさておき、ここからが大変といえば大変だった。

 今度は講習会の会場がどこだかわからない。グーグルマップを開いてさまようこと1時間。意外に単純な場所にあって、思わずグーグルマップの精度の悪さに少し腹が立った。

 12時頃、レストラン探しを始める。会場の近くには、妙な雰囲気の中華レストランと、サイゼリアがあったが、どちらもあまり気のりはしない。

 だからってセブンイレブンの中にはイートインコーナーもないし、仕方ない。初めはその妙な雰囲気の中華レストランへと向かう。その中華レストランのディスプレイは古く明らかに怪しい雰囲気が漂っている。

 中に入れば、案の定、まるでマフィアみたいな中国人のおやじたちが偉そうに席にふんぞり帰っている光景が目に見えて、瞬間で”やばい”と思って去った。

 

「サイゼリアか…。苦手なんだよな。あの店の空気」


 サイゼリアの前でそんな独り言を呟いていた。

 私は五感は一際、敏感な人間だ。どれくらい敏感なのかと表現すると、皆さんが何気なく利用する映画館にも、妙な臭いを嗅ぐとその場にはいられないくらいに敏感だ。

 妙な臭いと書いたが、それはごくごく当たり前の匂いだ。例えばイタリアンレストランでよく匂うチーズやニンニク、その他もろもろの匂い。

 だが、私はとりわけ嗅覚に優れているので、そのチーズやニンニクが気持ち悪いと認識すると、もうその場にはいられない。

 なので、私は外食レストランは苦手である。少しでも自分にとって、嫌な臭いを嗅ぐと身体が拒絶反応を起こして、10分もいられない。

 友人とはかなり外食レストランで会うが、その友人には何度か、「ごめん。ここはダメだわ」と言って「何で?」みたいな雰囲気になった。

 サイゼリアなど、その最もたる例である。

 今まで何度もサイゼリアに入ろうとしたが、空気の悪さと換気の悪さで、入り口に入り1分にも満たない時間で離れたケースが何回もあった。

 ガストも苦手である。だが、中には換気にとても気を遣った店も何軒か見つけたので、だいぶこちらは偏見はなくなった。

 だが、サイゼリアに至っては、全ての店が私の五感には悪く、1分も満たない間で退散してしまっていた。


「でも、セブンイレブンの前で座りこんでランチというのも恥ずかしい。仕方ない。サイゼリアに行くか」


 ここまで来た以上は今更、別の場所に向かってランチという時間もない。

 私はほんの少し、気合を入れて、その横浜市のサイゼリアに入った。だが、このサイゼリアは違った。換気がよくされているし、店の雰囲気も他のサイゼリアよりおしゃれだ。

 私のサイゼリアを見る目は変わった。ここは何とかいられそうだ。ランチはこのサイゼリアで摂ることにした。

 さて、次は食べるもの。サイゼリアに初めての来店となった私は、今度は何を食べるかで悩んだが、とりあえずは腹が膨れればいいと思ったので、パエリアとチキンの揚げ物を添えて食べた。

 だが、思った以上に美味しくない。もしくば、値段相応の味という表現が全く似合う味だった。

 まあでも、出先で1000円以下でドリンクセット付きでなら破格だろう。私はその安さに感謝した。

 そして、13時。アロマテラピーアドバイザー資格取得講習会の入場が開始される。

 思っていた以上に、集まってくる。その日は席は満席を予定しているので、前から順番に詰めて行ってくださいという注意が印象的だった。

 それ以上に、新型コロナウィルスの感染者が増えつつあったこの時期、講師を務めるアロマセラピストの先生の言葉が、徐々に広がりつつある新型コロナウィルスの恐怖を私に教えてくれた。


「ただいま、新型コロナウィルスの感染拡大が懸念されています。咳や熱がある方は講習会にご参加できません。講習会に参加される方は入り口の消毒用アルコールで御消毒をお願いします」


 やっぱり、あの話は本当だったのか。と思いつつ、だが、その場に集まる者達は騒ぎもせず沈黙を守り講習を受けようと準備を粛々と整えていたのだった。

 やがて、少しの緊張感を帯びつつもアロマテラピーアドバイザー講習会が始まった。

 約3時間にも及ぶ講習だったが、無事終了した。

 実はこの日は獅子座の満月の日で勉強するには絶好の日よりだったという。

 その講習で記憶に残っているのは、劣化したレモンの精油の匂いだ。劣化したというのは品質が落ちたという意味。

 そのレモンの精油は、太陽の光にわざと当てて、あえて劣化させたとアロマ環境協会の方から聞いた。

 その匂いはどこか私の言葉で言うなら、”苦い”匂いだった。どこかそれは、よくカリス成城でサンプルとして置いてある匂いにも似ていた。

 劣化した匂いというのはこういうのかと、その場に集まった見ず知らずの”同期”の方と話したものだ。

 それが純粋に面白かった。

 もし、あの時、講習会に参加しなかったら、この文章も書けなかっただろう。

 ここまで、あの新型コロナウィルスの感染が広がってしまった、今ごろ、もし講習会の予定が入っていたら、中止になったことだろうと思う。


 今日のニュースでも相変わらず、新型コロナウィルスの特集がされている。

 ちなみに、メルカリでマスクが高く売られているという情報を知ったのは、この講習会の前日だった。

 何気なく、横浜市のセブンイレブンに立ち寄った時、気になってマスクのコーナーに行ったら、本当に無くなっていた。

 やっぱり、ここでもないなら、他でもないな。

 こんな所で、私はニュース番組で報道されていることはテレビの中の世界ではないのだなとつぐつぐ思った。

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