偏罪
これは翔田美琴オリジナル小説「三つの背徳の果実」の主人公をイメージしたポエムです
苦しんでください 災厄を与えます
苦しんでください 許すことはありません
生贄を従えた 貧しき魂が 影となって踊ります
悲しんでください 涙を与えます
悲しんでください あなたが招いたことです
そして 底まで 奈落の底まで
魂が沈んだら そこで・・・あなたを救う天使がいるでしょう
その男は生まれついた日から
身に余る罰を授けられた
その男はその罰に抗って
自らの運命を切り拓く
彼は 太陽の暖かさと 月の揺らぎの心を持つ
片翼の天使
あるいは・・・銀色に輝く悪魔
何も与えられるものなどない
ただ言えるのは その男は
絶対に翼を拾わないといけない
そう 未来を羽ばたくもう一つの翼を・・・
女神の歌が鳴り響く
黒くて強い爪の鋭さです
白くて細い牙のもろさです
花はいつか滅びるでしょう
禁じられた力も 無くなるでしょう
それが実行されるのは
今 この瞬間です
暗闇で怯える声が聴こえます
一人で泣いている子供がいます
私は許すことはありません
いつも覗いている世界は
愛と絶望の世界です
闇の中で踊る 二つの影があります
女神が歌う歌で踊ります
でも救われることはありません
一人で泣いている少女がそこにいます




