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夢現(ゆめうつつ)

作者: 怠鞍 輪廻

目が覚めても君はいなくて

何度目覚めても、夢ではなくて


何度君の名を呼んだだろう?

呼んでも、

もう僕のそばには来てくれないのに


明日になれば、明日になれば

君はきっと僕のもとにって…

あの時ずっと思っていたっけ…



寂しさを隠す為に

みんなといるのに、みんなと笑いながら

笑顔を作ってる自分に気づいていた。


ほんとは苦しいのに

悲しいのに

辛いのに

平気なふりをした


もう、なんともないふりをした。


自分の心に何度も嘘をついた


いつも騙してきたから

嘘をつくのは慣れているはずなのに

嘘をつくのは平気なはずなのに


どうしてこの嘘だけは

心がこんなにも寂しくなるのでしょう?


誰を騙せても、自分は騙せないものだね?


明日は何をしよう…?

何をして忘れよう?


忘れようとすると思い浮かんで来るから

いつしか忘れようとするのを辞めた。


過去ってやつは

美化されるものだからね。


過去を否定したくないから

間違いだと認めたくないから。


一人でさ

強く強く生きなきゃって思うと

凄く疲れるよね


けど、弱くていいやって思うと

悪い方向に流されていくよね


人生ってさ

どうしてこんなに複雑なのかね?


強く強く、強く強くって思ってたらさ

何が強いのかわからなくなっちゃった。


凄い疲れたよね

大丈夫だよ、大丈夫。


きっと心から笑える時が来る。


そんなのわかんないじゃん?

そんなの来ないよ?


うん、わからない

来ないかもしれない


けどね?

君がいたから、君といたから

ほんの一瞬でも、僕は笑顔になれた


信じようと思えた

ずっと一緒にいたいって思えた。


こんな汚れた世の中だ


何もかも、嘘だらけの世の中だ


けど、だからこそ君と手を繋いで

歩いて生きたいって思えた。


まぁ、どれだけ語っても

ほら、過ぎてしまえば過去なんて

夢のように何も残らない。


夢で見たものは、覚めてしまえば現実には何も残っていない。


ただ、胸に痛みを感じるだけ

ただ、頭に君といた時間を描けるだけ。


けどね?

生きてる以上は望みたい

僕はきっと幸せになる。


だから、君も自分の幸せを大切にね


笑っているフリをすれば

笑っているように見えるんだから


幸せなフリをすれば

幸せって見えるんだよ


本当の幸せなんてこの世にはない


みんな不安だから、孤独だから

幸せなふりをしているだけ


なぜなら、人はないものねだりを

繰り返す動物だから


満たされてる部分があれば

満たされない部分があるのは当然なのに


全てを満たそうと傲慢な欲望があるから


何かを得れば何かを失う

それすらわからないバカもいる


わかっても、自分は違うと思うバカもいる。


それを端から見て、上から見ているだけのバカもいる


自分だけ特別なんて勘違いでしかないのにね?


結局、人の幸せなんて

自分の思い通りにいく世界だって事。


そんなくだらない考えが

人の幸せだって事。


これは僕の考え

君はどう考える?


自分に嘘をつけば幸せになれる?

他人を騙せば幸せになれる?


自分に素直になれば幸せになれる?

他人に真実ばかり言えば幸せになれる?


僕にはわからない


幸せって何?

みんなが笑顔でいる事?

けどね、みんなに合わせて笑顔を作ってる人もいる。


悲しいからこそ、わざと笑顔に変えてる人だっている。


人はそれぞれ違うから思い通りには

いかない。


幸せって何?

誰かの為に何かをしてあげる事?


けど、それは自己満足だけなのかもしれない?


人に何かをする事でしか、

自分の存在意義を、確かめられない

寂しい人なのかもしれない。


人はそれぞれ違うから、

そもそも別にそんなの求めてない人かもしれない。


考える事は大切な事

責任を持った行動も大切な事


そんなのはわかってるんだよ


出来ない事もある

間違う事もある


年を取れば、人は経験、経験と言うようになる。


確かに色んな経験はするものだけど、

経験を振りかざした言葉は無意味。


経験は悪魔で

自分の経験でしかないんだから。


経験ってやつで、弱くもなり

強くもなる。


けど、後悔したり、自己嫌悪になったり

意味のない窮屈さを感じる必要なんてない

過去に縛られる人生はいらない。


周りを見れなくなると人は、小さい

周りを見れると人は、欲深い


恋をすると強くなる

恋に溺れれば弱くなる


愛を知ると幸せになる

愛を理解すれば、不幸になる


けど、恋をしないとそのまま

愛を知らないと気づかない。


どちらを選ぶ?


僕は色々考えて、どうしたらいいのか

わからなくなった。


始まりは、好きでいたのか?

終わりは、嫌いだったのか?


大好きだったのか、大嫌いだったのか?


愛していたかっただけなのか?

愛して欲しかっただけなのか?


わからなくなっていた。

何も見えなくなっていた。


その中で幸せについてわかった事は

1つ。

確かな事は、考えすぎないって事くらい。


闇を瞑想する中、僕は光「あなた」に救われた。


それは迷いを取ってくれた訳じゃない

闇を払ってくれた訳じゃない


あなたは何をしてくれる訳じゃなく

ずっと僕のそばにいてくれた。


今は、目が覚めたらあなたがいて

何度目覚めても、夢ではなくて


何度もあなたの名を呼ばなくても

笑顔で振り向いて、僕のそばにいてくれて…


明日になっても明日になっても

あなたはずっと僕のそばに…って

今は、ほら想ってる。


そして、ふと思うんだ。


目が覚めても君はいないんだ

何度目覚めても、夢ではないんだ


何度君の名を呼んだだろう?

呼んでも、もう君は僕のそばには来てはくれないのに。


明日になれば、明日になれば、

君はきっと僕のもとに…って

あの時ずっと想っていたっけ…ってさ。


夢と現実、区別がつかない妄想の中で

僕はぷかぷか浮いている…。


そして、ハッと気付く


そっか…君といた事全て、

夢だったのか…


「おはよう」


その声に、ぼんやり目覚めた僕は、

目を擦り、あくびをしながら


カーテンを開けて光に照らされる

あなたの声に答える。


「おはよう 長い夢を見ていたよ」

…と。

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