第3章 第50話 俺、今月中にあと1話更新したら結婚するんだ・・・
2行でわかる前回のあらすじ!
運命の第二ラウンドがついに開始。一ラウンド目とは異なり、僕の思い描いた通りの展開でゲームは進行し、1セット目は僕が先取する展開となった。
以上!
「ふふ。やはりそう来ましたか。」
第一セットを無事に取れたことで、僕はすかさず煽りを入れる。嫌な奴だと思うなかれ。自分だってこんなことはしたくないが、勝負は非情なのだ。勝つための小細工ならばいくらでもしよう。
「君にはこの展開が見えていた、と?」
・・・。あくまで動揺は表に出さない様子のフリナックさん。さすが大貴族というべきなのか、それとも、本当に動揺していないのか・・・?
しれっと質問を返すことで会話の主導権を奪いに来ているところも賢しいポイントだ。
「ええ。フリナックさんほどの『人を見る目』を持っているなら、ここを読み違えると思っていました。」
「それは・・・どういうことだい?」
「それは・・・。」
『人を見る目がある』。つまり、それは人の本性を見る目がある、ということに他ならない。ひるがえせばそれは、『この人ならこう考える』というところを高精度で読める、ということだ。
さらにその読みの精度は、『道行く人を一目見ただけで、【相手が人間ではない】ということ』を読み取れるほど高度で、さらにフリナックさん本人も、常識では考えられない結論を観察から導き出したとしても、それを疑わず信じることができる人物であるときた。であれば・・・。
「フリナックさんが『僕』という人物像を読み切れるのは、当然ということです。」
おそらく、相手の何気ない言動や表情、しぐさ、立ち振る舞いなどの些細なデータをつなぎ合わせて人物像を予測するのだ。それは歩き方であったり、発言内容だったり・・・果ては眉の動き方までも見ているのかもしれない。
「その理屈で言うと、むしろ君の考えを私がここで読み切れていないとおかしいのではないかな?」
「ごもっともです。ですが、僕が今出したこのKは例外だったんです。」
僕は手でカードを指し示す。
「フリナックさん。一つ確認をしますが、あなたからは、僕が『リスクをとらない人物』に写っていたんじゃないですか?」
「確かにそうだが・・・それが間違いだったと?」
「いいえ、間違っていません。正解ですよ。」
こんな勝負を持ち掛けておいて言うのもアレだが、そもそも僕は賭けを好まない。『リスクを犯して大得を取る』より『確実な小得を取る』を良しとする人間なのだ。そんな人物、言い換えるなら『微細なリスクすら恐れる』人間なら・・・。
「負けてはならない勝負で、開幕最強札を出すなんてハイリスクな一手を打つなんて真似出来るはずがない。頭でそうするしかないと分かっていても、その手に『リスクがある』と判断すれば、強引な理屈をこね回してでも別の手を打つ理論を打ち出してそちらに流れるような人間である僕ならなおさらです。ただ・・・。」
「ただ?」
「それではあなたの読みを外すことはできない。普段の自分なら絶対に打たない一手。それを打つ必要がありました。それも、ただ打つだけではなく、それを迷わず、何のためらいもなく。」
すべては、相手に読まれないために。
「はたから見れば、深く考えずに打たれたように見えるこの一手。そこまで時間をかけずに打たれた手。フリナックさんなら当然読み切ろうとするはずだ。読み切ったうえで、確実に勝とうとする。ただ、その読みの根本にあるのは・・・。」
「・・・『相手は安定志向の人間』という、この瞬間に限っては致命的な誤解であるというわけだね。」
「そういうことです。さて、種明かしはここまで。第2ラウンド2セット目と行きましょう。」
僕はテーブル上の2枚のカードをわきにどける。このラウンドは、次で決めに行くという決意を持ちながら。
まだまだ続くんじゃよ。




