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第3章 第43話 ヒャッハー半年ぶりくらいの更新だぁ!

次回は年末までにもう一話くらい書き上げたいなぁ・・・

 フリナックさんは机の前に座って書き物をしていたようだった。今書いていたらしき書類を一度机の上でトントンしてふちをそろえると、備え付けられている引き出しの中にそれを片づけて、僕に用件を尋ねた。

 用件を訊かれた僕は素直に答える。ゲームをしに来た、と。


「ほう。ゲームを。・・・ゲームをね?」

「ええ。ゲームを、です。」


 『あなたがどこまでこちらのことを掴んでいるのか』を知るための足掛かりとするための、というワードが『ゲーム』という単語の前に本来なら付くのだが、当然口には出さない。もちろん、顔にも出さない。


「・・・・・・わかった。それじゃあ、ひとつお願いしようかな。

どんなゲームをするんだい?」


 ずいぶん間があったことが気になるが、ともあれひとまずゲームを受けてもらえるところまでこぎつけられたので良しとしよう。第一関門クリアだ。


「今回行うゲームは、『フォーカードゲーム』と呼ばれているゲームです。」


 ちなみにこのゲームの発案は我々三田研究室の面々である。現在はルールに改良を重ね、ver1.06までルールが更新されている。


「『フォーカードゲーム』・・・。聞いたことのないゲームだね。」


 でしょうね。


「実演しながらルールを説明いたしましょう。ゲームには、これを使います。」


 僕はポケットに入れていたものを取り出す。カード、という単語から予想できるとおり、出てくるのは・・・。


「トランプ、だね。」

「はい、種も仕掛けもないトランプです。」


 マジシャンが持っているトランプといえば、特殊トリックが仕込まれているカードを使うと思われがちだが、実は意外とそうでもない。やろうと思えば、普通に100円ショップで売られているプラスチックトランプなどでもさまざまな演技を行うことが出来る。無論、特殊カードを使うマジックも存在するが、それはそれ。

 今回重要になってくるのは、道具やテクニックではない。読みあいだ。

『フリナックさんがどこまで掴んでいるかを知ること』が最終目的だが、そのためには、『彼が掴んでいること』をごまかそうとする場合、どういうごまかしかたをするのか。言い換えれば、彼がどういう思考をする人物なのか。どこまで読み切れる人物なのかを把握する必要がある。だからこそ、読みあいがキモになるゲームを仕掛けた。

 改めて、ルール説明に戻る。


「まず、お互いにカードを4枚ずつ配ります。」


 適当にカードをシャッフルしてから、お互いにカードを裏向きに4枚ずつ配る。


「これは、カードを確認してもいいのかな?」

「はい、もちろん大丈夫です。このとき、配られたカードを確認して気に入らなければ、一度だけ手札を全て引きなおすことができます。今回はリハーサルなので、カード引き直しは割愛させていただきますね。」


 僕も自分に配られたカードを確認する。クローバーの1、ハートの6、ハートの9、そしてJoker。仕込んだわけではないが、面白い手札だ。


「配られた手札4枚のうち、3枚は勝負させるためのカード、1枚は装備カードとして扱います。どれを装備カードにするかは、プレイヤーが自由に選択できます。」

「ほう。」

「どれを装備カードにするかを決めたら、プレイヤーは残りの3枚のカードの中から一枚選んで、自分の前に裏向きでセットします。」


 僕は装備カードを「ハートの9」に決め、自分の前に「ハートの6」を裏向きでセットする。


「では、私はこれを。」


 フリナックさんもカードをセットする。


「両プレイヤーがカードをセットしたら、ここで装備カードを装備させるかどうか決めます。今回は僕が親ということで、僕から装備カードを使うかどうかを先に決定します。

では、せっかくなので装備カードを使いましょう。これを追加でセットします。」


僕は、『ハートの6』の下に、『ハートの9』を裏向きでセットする。


「フリナックさんは、どうされますか?」

「では私も、装備カードを装備させようかな。これだ。」


 フリナックさんも、装備カードをセットする。


「さて、このまま勝負に入ってもいいのですが、勝負に入る前に、このタイミングで、装備させたカードを手札に戻すことも出来ます。手札に戻した装備カードを使わずに勝負に入ってもいいですし、手札に戻したカードとは別のカードを装備カードにして装備させることも可能です。」

「ほう。」

「ただ、装備カードを手札に戻す行為は、一度の勝負中に一度しかできません。このゲームは、カード同士の勝負を3ラウンド行いますが、その中で、装備カードを手札に戻せるのは一度きり、ということです。」

「なるほどな。戻すタイミングは慎重に計る必要がある、と。」

「そういうことです。今回は僕は装備カードはつけたまま勝負しようと思います。フリナックさんはどうされますか?」

「わたしも、このままで行こう。」

「わかりました。では、勝負です。」


 僕は自分の前に伏せていたカードを表にする。合わせて、フリナックさんも伏せていたカードをオープンした。


「この時、そのカードに書かれている数字がそのカードの強さになります。装備カードを使っていれば、その数値の合計がそのカードの強さになります。例えば今回の場合ですと、僕のカードの強さは6 + 9で15というわけです。」


そして・・・。


「そしてわたしがJ + 5で16と。」


 そういうことになる。


「これで、第一ラウンドが終了し、まずフリナックさんが1勝したことになります。

 これをあと2回行い、勝ち数の多いプレイヤーの勝利となります。ただ・・・。」

「ただ?」

「このゲームの中には、特別なカードが存在します。それがこちらのカード、JokerとAです。」


僕は、手元に残っている2枚のカードを見せる。


「Jokerは、このゲームでは数字を∞(無限)として扱います。装備カードとして装備させた際も同様です。」


 ほら、やっぱJokerって特別感あるでしょ? なら、こういう扱いになるのも仕方ないと思うんだよね。


「そうなると、Jokerへの対抗策はJokerしかないのかとなりそうですが、無論そんなことはありません。Jokerへの対抗策。それがこのカード・・・Aです。」

「エース・・・。」

「Aは、数字上はただの1にすぎませんが、相手がJokerの場合、特別に勝利することが出来ます。ただし、Aに何かを装備させたり、逆に何かにAを装備させた場合は、カードの強さが1ではなくなるため、Jokerに勝てなくなります。」

「・・・なるほど。ルールは理解したよ。」


 どこかで聞き覚えのあるセリフだ。

 思い出し笑いを浮かべそうになるが、抑える。代わりに、というわけではないが、本作戦の最重要ミッションを開始する。それが・・・。


「では、本番に入りましょう。と、いいたいところですが、ひとつ、賭けをしませんか?」


 この賭けを、飲ませることだ。


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