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第3章 第33話 おそろしい話だ

本当に恐ろしいのは更新頻度が下がってきてしまっていることなのですよ。




本当にごめんなさい・・・。


 ヴァンパイア。僕が元いた世界でも映画や小説、はたまたゲームなどでおなじみの架空の生物である。太陽が苦手であるとか、不死身であるとか、さまざまな特徴がある有名なモンスターだ。そんなヴァンパイアの女性のことを、『ヴァンピレス』と呼ぶことがある。

 今、僕の目の前にいるこのお嬢様は・・・どうやらそういう存在であるらしかった。


「『ヴァンピレス』・・・女吸血鬼、ですか。」


 なるほど。だからこのお嬢様は常に日傘を持ち歩いていたのか。ただ単におしゃれで携行していたわけではなかったというわけだ。


「そうだ。貴様ら人間の伝承の中で『夜の支配者』と伝えられているアレだ。そして私は、貴様らが言うところの『上級魔族』というものに分類されている。不本意ながらな。」


 不機嫌そうにそう言うお嬢様。どうやら単純にひとくくりにされるのが気に入らないようである。


「不服そうですね?」

「当然だろう。そのせいでこの私があんな奴らの同類だと思われているんだぞ。腹立たしいことこの上ないな。」


 『あんな奴ら』呼ばわりするとは・・・上級魔族とはろくでもないのの集まりなのだろうか。


「まあ、今はあんな奴らの事はいい。

話を戻そう。どうしてその使い魔が『ムーマ・エンド』であると思ったか、だったか?」


 その話題を避けるために、議題をすり替えたのだが・・・やはり話はそこに帰ってきてしまうか。これ以上は話を逸らせそうにないし、僕は素直に首を縦に振った。


「その理由はな、私が吸血鬼だからだ。」


 ・・・どういうことだろう。


「吸血鬼には、一つ大きな特徴がある。

それは、『自分や相手の魔力を目で見ることが出来る』という点だ。」


 そんなことが出来るのか。


「だから、相手を見ればその者が持つ潜在魔力の大きさを確認できるし、魔力のうねりを見れば、相手が使おうとしている魔法の属性も、規模もわかる。」


 なるほど。だからこその、あの発言か。最初のコイン勝負の時にお嬢様がもらした『魔法を使用したのであれば、この私が気付かないはずがない。』というセリフは、そういう根拠があったからか。


「そして、私が実際に過去見たことのあるモンスターであれば、そいつの魔力を見ることで私はそのモンスターを特定することができる。」

「・・・なるほど。そういうことですか。」

「そういうことだ。

お前の使い魔の魔力は、ムーマ・エンドのものと全く同じだ。」


 これは・・・ごまかせそうにないな。


「確かにこの子―マリーは、巷では『ムーマ・エンド』と呼ばれているモンスターです。

 しかし・・・お嬢様は『ムーマ・エンド』を見たことがあったんですね。」


 その事実さえなければごまかせたかもしれないのに。


「吸血鬼は主に夜間に行動するからな。夜に行動するタイプのモンスターはだいたい目にしている。」


 ・・・さいですか。


「さっきの話にも出た通り、吸血鬼は『夜の支配者』だ。そう呼ばれている理由が、貴様はなぜだかわかるか?」

「・・・わかりません。」


 なにせ、こちとらこの世界の人間じゃないし。


「それはな、夜間に活動するモンスターの中で、吸血鬼が最も強いモンスターだからだ。・・・ムーマ・エンドよりもな。

だから、ムーマ・エンドの催眠術も私には効果がない。」


 まじか。


「ムーマ・エンドの催眠術は回避不可能って聞いたんですけど?」


 と、お嬢様にそう聞いたら、


「それは人間の中に限っての話だ。ムーマ・エンドを人間が捕獲するなんてことは不可能だろうし、そもそも普通はかかわろうとさえしたがらないだろうからな。『ムーマ・エンド対他のモンスター』のデータなんて検証しようがなかったんだろう。そういう誤解が生まれるのも仕方ないだろうな。」


 と即答された。げに恐ろしい話である。


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