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第3章 第22話 お嬢様と西村 その3

お待たせしてすみません!

更新です!


「さて、このコインを使ったゲームをするにあたって、まずしておかなければならないことが1つあります。」


 『さて』の部分でパン!と手を打ち、西村は自身に注目を促した。その目論見(もくろみ)通り、お嬢様は西村を注視する。それに釣られず場全体を見ていた僕は、西村が手を叩いた瞬間にお嬢様がビクッとなったのを見逃さなかった。


「しておかなければならない事とは何だ?」


 何事もなかったかのようにお嬢様は場を進めようとする。それが面白くて、僕はこっそりとクスクス笑った。


「ルール説明だ!」


 テーブルに両手をバンと打ちつける西村。反動でテーブルのコインとコップが跳ねるが、西村は気にしない。


「・・・おぅ、そうだな。」


 こころなしかお嬢様が引いている気がしなくもない僕だった。たぶん西村も気付いていると思う。

 西村は、引かれているであろうことは一切気にせずにルール説明をし始めた。精神力のタフさがうかがえる。


「ルールは至ってシンプル。俺がコインを隠すから、ヌホクリーデお嬢様はコインの場所を当ててください。コインの位置を当てることが出来たら、ヌホクリーデお嬢様の勝ち。当てられなければ、俺の勝ち。

 ・・・ただ、ここまでだとさっきの勝負となんら変わらない。だから、ひとつだけ。趣向を変えさせてもらいたい。」


 西村は人差し指をピンと伸ばす。


「一つ?」

「『俺はコインを隠すのにコップを使用しない』。

そのうえで、俺は右手か左手にコインを隠すから、ヌホクリーデお嬢様はどちらの手にコインがあるかを当ててくれ。」


 それは、『小道具を使わず、己の手だけで勝負する』ということだ。なんという大胆不敵さだ・・・。


「それでいいのか? それは、自ら小細工できる余地を減らすということではないのか?」


 お嬢様は不服そうな顔をする。西村のこの言動を、『自分を舐めている』と受け取ったようだ。

 だが、実際にこの言動が意味するところはその逆だ。このお嬢様の力を認めているからこそ、道具に頼らない、真に己の力のみで勝負することを選択したということに他ならないのだから。


「ええ、構いません。文字通り俺の手で、あなたの眼力を超えて見せましょう。」

「面白い。その技量の程を、拝ませてもらうぞ。」


 そう言って、お嬢様は少し怖い笑みを浮かべる。『もし私を満足させらなかったら、わかっているな?』という意味が多分に含まれている笑みだ。


「ええ。存分に見てください。

それでは、全体の流れの説明もかねてリハーサルを一度だけさせてもらいますよ。」


 西村は、テーブルのコインをつまみあげると、それを親指で天井高く弾き飛ばした。


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