第3章 第21話 お嬢様と西村 その2
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僕がコインを使ってお嬢様に勝負を挑み、敗北したそのすぐ後であるのにもかかわらず、西村は、自ら『再びコインでの勝負をすること』をヌホクリーデお嬢様に宣言した。お嬢様の最終確認にも速攻で「OK」の返事を返す西村であったが・・・。いったいどんな秘策を思いついたのだろうか?
「さっきも宣言した通り、俺はこのコインで貴女に勝負するぜ。なんだったら、今みたいに賭けをしてもいい。」
まじか・・・。
「私は構わないが・・・いいのか?」
「ああ。構わないぜ。
俺が勝ったら、さっきのあいつの負けをなかったことにしてもらいたい。」
西村は、自分が勝利した場合、僕の負けをチャラにすることをお嬢様に要求した。それはとてもありがたい要求であるのだが・・・。
「西村、その条件はだめだよ。」
「残念だがそういうわけにはいかんな。」
僕とお嬢様は同時に口を開いていた。僕とお嬢様はお互いに顔を見合わせる。「お嬢様からどうぞ。」「どうも。」というやりとりを挟んだ後、お嬢様は西村に、
「その条件は飲めない。なぜならその提案は、私にもこの男にも失礼だからだ。私たちの真剣勝負を否定するようなものだからな。」
と、そう言った。それは、僕も同じ気持ちだった。
「西村。気持ちはうれしいけど、このお嬢様の言うとおりだよ。
僕たちはあの勝負にすべてを賭けた。そして僕はそれに負けた。ケジメは、僕がつけなくちゃだめなんだよ。」
「そうは言うがな・・・。」
西村は額に手を当てて少しの間葛藤する。やがて、「しかたねぇなぁ。」とため息と一緒に言葉を漏らした。
「そこまで言うなら仕方ない。さっきの条件を撤回することにしてやるよ。」
西村の出した答えは、そういうことだった。
「・・・すまないね。」
「気にすんなよ、このくらい。」
西村の懐の深さに甘える形になってしまった。この借りは、いつか別の形で返そうと思う。その時まで自分が生きていられたらの話だが・・・。
「話はまとまったか?」
こちらの話し合いが終わったのを見て、お嬢様が尋ねてくる。
「ああ。話はついたぜ。」
それに答える西村。
「ほう。で、貴様はどういう要求を提示すると言うのだ? それとも、賭けは中止か?」
「いや、賭けはするぜ。ただ、こっちの出す要求を変えさせてもらいたい。」
「如何様に?」
お嬢様の質問に、西村は口元に笑みを浮かべる。そして、西村は親指で僕を指さすと、
「『こいつに危害が加わるような要求をしないこと』。
これが、俺の出す要求だ。」
と、宣言した。
「そうか。それが貴様の出した妥協案、というわけか・・・。」
「不服ですか?」
「いや、いいだろう。では、私が勝ったら、『そこの男にする要求』を貴様にも飲んでもらおう。これが私の要求だ。いいな?」
「ああ。闘い(ゲーム)を始めよう。」
西村とお嬢様は、テーブルを挟んで火花を散らしあう。今日、2回目の大勝負が始まろうとしていた。




