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第3章 第14話 お嬢様とコイン その4

ごめんなさいね・・・ほんと・・・待ったよね・・・・・・。

お久しぶりの更新です・・・!

せめて、楽しんでいってやぁ・・・!


「これが僕の、『魔法を使わない、魔法のような技術』です。」


 僕はドヤ顔を浮かべ、『信じられない物を見た!』と言った表情のお嬢様にセリフをぶつける。じつにいい顔だ。ここまで驚いてくれるとは、こちらも演技をやった甲斐があったというものだ。


「っ・・・!」


 いまいましげな表情でこちらを見つめてくるお嬢様。いっそにらんでくる、と言い換えてもいい。が、今はその表情が実に心地良い。


「こんなこと・・・ありえんぞ・・・・・・。いくらなんでも、これは・・・。」


 うつむいて、独り言をこぼし始めるお嬢様。彼女にとって、この現象はそこまでショックを受けるほどのものだったのだろうか。それにしては少々大げさなような気もするが。

 

「・・・大丈夫ですか?」


 少し心配になってきたので素直に聞いてみる。失礼ではない行為だと思いたい。


「ふ・・・ふふ・・・。

クククククク・・・。」


 だが帰ってきたのは狂気に満ちたような笑いだけだった。これはもうだめかもしれない。


「あの・・・。」

「クククククク・・・アーハッハッハッハッハ!!

面白い、実に面白いぞ貴様! どうやら私は、貴様をまだどこかでナメていたようだ!」


 お嬢様は突然立ち上がると、眼を紅く輝かせ、僕に人差し指を突き付けてものすごい高笑いを繰り出した。いきなりなにを言い出すんだ・・・。


「はぁ・・・。」

「いいだろう。私も本気を出そう!

もう一度今のゲームを挑ませてもらおうか! 『嫌』とは言うなよ?」


 『断るなよ!』という意思をこめた、尋常じゃないプレッシャーをこちらに叩きつけてくるお嬢様。ここまでされて『No』と言えるマジシャンはいないだろう。無論、僕は彼女の挑戦を受ける。


「もちろん、構いませんよ。」


 僕の肯定の返事に、お嬢様は嗤う。それはもう、愉快気に。


「それでこそだ。しかし、ただ私が挑戦するだけでは貴様も本気を出せまい。

私は、本気の貴様を完膚なきまでに破りたいのだ。」

「と、いいますと?」

「賭けをしよう。」


 賭け・・・だって?


「私がコインの在り処を言い当てられなかったら、貴様の勝ちだ。貴様の言うことをなんでもひとつ聞いてやろう。

 だがもし、私がコインの在り処を言い当てられたら・・・あとはわかるな?」

「『噂に名高いソーア家のお嬢様に何でも好きなことをさせること』と釣り合う何かを差し出す・・・。そういうことですね?」

「そうだ。この賭け・・・受けるか?」


 これまでにないほどに覇気をみなぎらせた人物はこの先一生出会うことはないだろう。そう確信を抱けるほどに、彼女がこちらに向けるオーラは強かった。目つきの鋭さが今までとはまるで違う。今しがた彼女が提案したこの賭けだが・・・受けるしかないだろう。これは間違いなく、これまでの僕のマジック人生における、過去最高難易度の試練。果たして今の僕にこの強敵を下せるか・・・。全霊をかけて、挑ませてもらおう。負ければ、待っているのは破滅だが・・・負けなければいいのだ。


「いいでしょう。その賭け、受けましょう。」


 僕は宣言する。試練を受けることを。今までも十分本気だったが、ここでもう一段階、スイッチを入れよう。彼女を下し、勝利する。それだけを、考える。


 かくして、負けられない戦いが幕を開けた。


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