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第3章 第10話 お嬢様

大変遅くなってしまい申し訳ありません!

久しぶりの更新です!


 オルガさんに『緊急事態だ』と突然伝えられ、今この場所を取り巻いている状況を把握した僕と西村は、オルガさんに連れられて件のお嬢様―ヌホクリーデ=ソーアなるお方の待つ場所へと向かっていた。僕の右肩にはもちろん、マリーが乗っている。そして、今僕の顔には怪しい仮面がつけられている。全体が真っ白で、目と鼻の部分だけ穴をあけてある仮面だ。僕が指名手配されていることを考慮して、オルガさんがくれたものだ。もらっておいてこんなことを言うのもあれだが、不気味なことこの上ない。非常に。

 やがて、僕たちは居酒屋となっているスペースに通じる扉の前までやってきた。この扉の先に、お嬢様がいるのだ。


「じゃあ、扉を開けるぜ。お前たち、準備はいいな?」


 扉を開ける前の最終確認をするオルガさん。無論問題ない。僕と西村はそろってうなずく。

 それを確認したオルガさんは、勢いよく扉を開けた。いつものように、元気よく。





「ずいぶん私を待たせるな。それだけ期待してもいいということか?」


 そのお嬢様は、組んだ手をテーブルに乗せ、開口一番にそんなことをおっしゃった。お嬢様だと聞いていたから、従者のような者を近くに置いているのかと思ったがそのような人物は見当たらない。どうやらここまで一人で来たようだ。なかなかアクティブなお嬢様だと言えよう。

そんな目の前の彼女だが・・・年齢は18歳ほどだろう。切れ長の目の中にあるのは、紅い瞳。スラリと通った鼻筋。赤い宝石のように輝く唇。白い肌を強調するかのような黒いドレスのような服を身に纏っている。かなりの美人だ。それは間違いない。間違いないのだが、こいつは・・・絶対にめんどくさい奴だ。間違いないね。出来れば関わりたくないタイプだ。本当に・・・。


「ああ。待たせちまったことは申し訳なく思っている。だが、待ったことは後悔しねぇと思うぜ。」


 お嬢様の攻撃に見事に対応するオルガさん。ちゃっかりこちらのハードルを上げてきおった・・・。


「そうか。ではお手並み拝見と行こうか。そこの貴様たちが見せてくれるのだろう? 仮面の君か、エルフの君か。どちらから来る?それとも二人同時にやるのか?」


 そうか、二人同時に演技するやつをやるという手もあったか・・・。言われるまで失念していた。これは不覚だったが、まぁ問題はない。当初の予定通り、僕から行かせてもらおう。こういうものは、まず弟子から演じるものだ。


「では、僕から行かせていただきますね。」


 右手を挙げて、僕は彼女の座るテーブルの対面に座る。


「うむ。私を楽しませる栄誉、まずは貴様にくれてやろう。

その前に、一つ聞いてもいいか?」

「なんでしょう?」


 お嬢様は、こちらの右肩をすっと指さすと、


「貴様の右肩に乗っているそれは・・・いったいなんだ? ぬいぐるみのように見えるが。」


 と聞いてきた。

 ああ、そりゃあ・・・気になりますよね。


「この子は、僕の相棒です。名前はマリー。どうぞよろしく。」


 僕の紹介に合わせて、『きゅ』と短く鳴きつつマリーは軽く頭を下げる。器用に僕の肩の上で。


「よろしく頼むぞマリーとやら。私はヌホクリーデ=ソーアだ。ところでマリーよ。貴様はただのぬいぐるみではないのか? なぜ動いたり話したり出来るのだ?」


 まぁ気になりますよね。


「この子には、僕の魔法で命が宿っているんです。ですので、動いたりしゃべったりするんですよ。」


 真相はぬいぐるみにムーマ・エンドが憑依しているだけだ。だがそんな真実は知る必要はない。


「ほぅ・・・。そうか。

・・・・・・・・そうか。」


 なんの『そうか』なんだろう・・・。


「ん、話の腰を折ってしまったな。すまない。さぁ、貴様の・・・貴様たちのか? 貴様たちのパフォーマンスを見せてもらうとしようか。

 何を見せてくれる?」


 魔法が当たり前に存在するこの世界だ。ならば・・・。


「僕たちが見せるのは、魔法抜きの魔法の技術・・・マジックです。」


 魔法なしで魔法みたいなことをしたら・・・さぞかし驚くんじゃないかい?


活動報告にも書きましたが、一か月ほど更新ペースが落ちるかもしれません。

すまねぇ、すまねぇ・・・。

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