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第3章 第7話 えらいことになりました

おまちかねの更新です! お待たせしました~。

 

台風のように強烈な勢いをもってやってきたオルガさん。はたして僕たちに何のようがあるんだろう・・・?


「オルガさん、どうかしたんですか?」


 フリーズが先にとけた西村がオルガさんに尋ねる。


「ああ、緊急事態だ。えらいことになりやがった。」


 緊急事態か・・・穏やかじゃないなあ・・・。


「お前たちは、ソーア家を知っているか?」


 オルガさんが確認を取ってくる。ソーア家だって・・・? この世界に来て日が浅い僕は当然知らない。なので、首を振る。まぁ、こういう聞き方をしてくるってことは、どこかのお偉いさんの家なのだろうが・・・。


「ソーア家ってあの・・・?」


 一方で、異世界の先輩である西村は知っていたようだ。僕がソーア家のことを知らないと知ったオルガさんは、簡単に説明してくれた。


「西村の思ったとおり、そのソーア家だ。ソーア家は、近年急に台頭してきた一族だ。この国でも一、二を争うトップクラスの家柄で、議会への発言力も強い。そして、不幸にもこの街に巨大な屋敷を構えている。ソーア家と事を起こせば大事になるのがほぼ確定している以上、目立つと問題になる稼業をしている身としては、できるだけ関わり合いになりたくない奴らだ。」


 とくに、うちのようなところはな。とぼやくオルガさん。いまにもため息をもらしてしまいそうだ。


「そのソーア家と何かトラブルでも起こりそうなの?」


 今の話と『緊急事態』というワードからの推測だが、あながち間違ってはおるまい。


「ああ、あそこの家の一人娘のヌホクリーデ=ソーアが今この店に来てる。うちで出してるランチを食いに来たみてぇだ。それだけならまだいいんだが・・・。」


 ああ、それだけでは済まなかったんだなぁ・・・。


「それだけでは済まなかったんですね?」


 西村も同じことを思ったようだ。オルガさんの言葉の続きを促している。


「昼飯を注文して食べ終えると店長のあたしを呼びつけて、『私を楽しませる「とんでもないもの」を見せてもらおうか。ただちに。』とか無茶振りしてきやがったんだ。あれは、『嫌だ』とか言おうものならこの店を潰す目つきだったぜ。」


 いったい居酒屋をなんだと思ってやがるんだあのお嬢サマは。と毒づくオルガさん。


「なるほど、それで僕たちを探していたんですね。」


 西村はこの段階で全てを察したようだ。


「ああ。あたしはそういうのは向いてないからな。勢いで『いいぜ。この世でいっとう、面白いもんを見させてやる。首を洗って待ってろよ!』って言っちまったんだが・・・なんとかなりそうか・・・?」


 オルガさんは不安げにこちらをうかがってくる。なんとかなるだろうと思いつつも、もしかしたらなんとかならないかもしれないという、相反する思いをぬぐえないが故の表情だ。

 でも大丈夫だ。これは断言してもいい。ここには、西村がいる。僕の師匠にして、かつて『世界最高のマジシャン』とうたわれた男から、その知識と技術を叩き込まれた唯一の人間、西村遊稀がいるのだから。


2017.11.15 セリフの一部を修正しました。

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