第3章 第3話 OMOTENASHI
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従業員Aさんの案内で、僕は店の奥へと入り込み、進んでいく。たどり着いた先は、これまた立派なドアの前だった。装飾が多い。いかにも、ボスの間だと言わんばかりだ。
従業員Aさんがしずかにノックをする。
「お頭、キリュウインをお連れしやした。」
「ご苦労。通してやってくれ。」
一泊遅れて、オルガさんの声が聞こえてくる。別れてからそんなに日が経っていないはずなのに、もう懐かしさを感じる。
「わかりやした。」
返事をする従業員Aさん。そして、僕に『ここからは小僧の領分だ。頑張んな。』と小声で言うと、来た道を戻っていった。開店準備が残っているのだろう。
僕は扉の方に向き直ると、
「失礼します。」
と言いながら、扉を開けた。
☆
扉を開けた先には、広い部屋があった。部屋の中でまず目に付くのは、部屋の奥にデン!と置かれている、とても大きな、それでいて一目で高そうと感じさせる机。素材に使われている材木がとてもいいものだと一目でわかる逸品である。その周りは本棚で囲まれ、中身は本や書類でだいたいが埋まっている。
続いて視線を奥から手前に戻せば、来客用のソファーが、上下左右に一つずつ、テーブルを挟んで置かれていることに気が付く。これがまたすごい。どこかの高級ホテルに備え付けられていそうな、座る部分がものすごく肉厚で、ダイブしたくなるのをこらえるのに凄く苦労するタイプのソファなのだ。そんなソファに挟まれて置かれているテーブルも、ソファに決して見劣りすることのない、良いものを置いている。そのサイズは大きめのコタツほど。奥にあったデスクは執務用で、こちらは来客用ということだろう。
とどめに足元を見てみれば、そこにあるのは、『敷かれているのは高級な絨毯だろう』とすぐに察しが付くほどの、それ。毛深いタイプの奴で、踏むことにためらいと罪悪感を覚えるやつだ。おかげで、それ以上先に進めそうにない。
「どうしたんだ、キリュウイン? そんなところに突っ立ってないで、こっち来いよ。」
ソファに座っていたオルガさんがこちらに向かって手をヒラヒラふる。別のソファには、西村も座っていた。こちらをみてにこやかに手を振ってくる。誘われるままに、僕はおそるおそる絨毯の上を進んでいき、同じようにソファに座る。
「で、今回はいったいどうしたんだ? こんなにもはやくここを訪ねてこなければならない用事ができたのか?」
オルガさんがたずねてくるがまさしくその通り。
「ええ。ちょっとまずい事態に陥りました。」
肯定する僕。どういうことだ?と視線で訪ねてくるオルガさんに、僕はここに来るまでの経緯を語るのだった。




