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第2章 第38話 びー・くーる

ハハッ・・・更新ペースが・・・戻せない・・・・・・


 探知機をとりに、ガタツは一度この部屋を退出した。次に奴がこの部屋に戻ってくるまでになんらかの手を考え、実行しておかなければならない。手錠をしているため、何かをするにしても平常時より作業時間がかかることにも要注意だ。ガタツが用をすましてこちらに戻ってくるまでは5分程度しかないと見ていいだろう。なにか、なにかないか・・・!

 必死に辺りを観察するも、あるのは机の上に置かれたペンスタンドとメモ帳のみ。机の引き出しを全て開けてみるも、どの引き出しも中に何も入っていなかった。もっと引き出しを有効活用すればいいのに・・・!

 ペンスタンドの中にはボールペンと鉛筆が何本か入っているのみだった。はさみなどの刃物はもちろん置かれていない。容疑者を連れてくる部屋だから、武器になりうるものは置かないというわけか。この時点で、何も見つけられないまま2分が経過してしまっていた。

 考えろ・・・。手錠は外せないし、逃げられないとガタツは言った。であれば、そこに付け入る隙がある。奴の中ではこの二つは確定事項で、そうであると頭から思い込んでいる。だからこそ、なんとかして手錠を外す。奴の中での『ありえない』を利用して一瞬の思考停止状態を作れれば、ここからの逃走は不可能じゃない。問題は、手錠を外す手段が現状存在しないことだ。

 せめて、クリップのようなものがあればよかったのだが・・・。あれをピンと伸ばして針金状にしたものがあれば、僕ならこの手錠を確実に外すことが出来る。昔、『マジックをするなら、これは出来るようになっておいた方がいい。』と西村に言われて、そういう技術を習得したからね。

 昔に思いをはせている間に、4分が経過する。もう、いつ奴が来てもおかしくない。こうなったら隙をついて、このボールペンで奴の急所を狙って攻撃するしかないか・・・。ペンスタンドにあったボールペンの一つをとりだし、上端をカチカチやって芯を出したり引っ込めたりしながら考える。が、これは無謀としか言えないだろう。却下するしか・・・。


「・・・あ。」


 あることに気付いた僕は、ボールペンをカチカチするのをやめた。





 ガタツの到着を、僕は椅子に座って待つ。奴が部屋を出てからきっかり5分後、ガタツは左手に、自転車のベルのようなものを持って戻ってきた。


「待たせたな。人誅の時間だ。」

「・・・・・・。」


 ここでうかつな反応は見せない。あえて緊張して何も反応できない様子を見せる。そんな僕にお構いなく、ガタツはテーブルを挟んで僕と反対側に座り直し、持ってきた探知機を机の隅に置いた。


「じゃあ、はじめるぜ。」


 そのセリフとともに、探知機に向かって腕を伸ばすガタツ。その瞬間に、僕は声を割り込ませて動きを止めさせにかかる。


「マジシャンに一番必要なものって、なんだと思いますか?」

「ああ? 知らねーよんなもん。」


 僕の質問に答える際に、狙い通りにガタツは腕を伸ばしたまま動きが止まる。来た!千載一遇の好機!


「それはですね・・・・・・どんな時でもあわてない冷静さですよ!!」


 次の瞬間、僕はガタツの手首の片方に手錠をかけ返していた。


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