第2章 第32話 異世界にもあるんだよ・・・。アレがな・・・。
「お待たせいたしました。測定の結果、あなたがこのたび採取なされた量は、752株とわかりました。」
二人の共同作業をカウンター越しに眺め始めて約15分後。僕は、なんだかちょっと疲れた顔をしているフィーアさんから測定結果を伝えられた。ひとまず、フィーアさんに『ご苦労様です。』と伝える。すると、フィーアさんは『いえ、これも仕事ですから。』と言わんばかりの苦笑を浮かべたあと、再び仕事用スマイルを張り付け直し、
「それでは、依頼完了処理をしますのでキリュウインさんの冒険者カードを一度お預かりさせていただきますね。後で今回の報酬とともにお渡ししますので。」
と言って、僕に右手を差し出してきた。その掌は、とても綺麗だった。保湿ケア的な事をしっかりとやっているのかもしれない。
僕は素直にカードを彼女に渡す。フィーアさんは、カードを受け取ると再びどこかへと姿を消す。きっと別の部屋に置いてある機械などに、カードをスキャンしてデータ処理をしたりするのだろう。
10分ほど待っていると、再び彼女が戻ってきた。右手には布で出来た小さな袋を持っている。彼女は、それを一旦カウンターの隅に置くと、
「お待たせしました。まず、キリュウインさんの冒険者カードをお返ししますね。」
と言って、僕の冒険者カードを返してくれた。ひとまず、それはいつもの定位置であるズボンの右ポケットにしまいこむ。それを確認したフィーアさんは、次に、
「続いてこちらが、今回の依頼の報酬となります。報酬金額は、752株採取されましたので、2000+50*(752-20)で、38600Gとなります。お確かめください。」
というセリフと共に、僕に先ほど片隅に置いた袋を渡してくれる。中身を確認すると、金色に輝くコインが3つ、銀色に輝くコインが8つ、酸化する前の10円玉のような色に輝くコインが6つ入っていた。つまり、この金貨のようなものは一つ10000G、銀貨のようなものは一つ1000G、銅貨のようなものは一つ100Gの価値があるということだ。
「はい、確かに受け取りました。」
「では、これで依頼完了です。お疲れ様でした。」
そう言って、頭を軽く下げるフィーアさん。こちらも軽く頭を下げて、踵を返す。
だが、反転したところでフィーアさんから待ったをかけられた。なんだろう。
「ところで、キリュウインさんはお昼のお食事はもう済まされましたか?」
「いえ、まだですけど・・・。あ、そうだ。どこかおすすめってありますか?」
こういうのは地元民のアドバイスに従うに限るのだ。
「そうですね・・・。この近くですと、ライというお店がお勧めですね。ヲーメンという一風変わったスープを出すお店なのですがこれがまた絶品なんです。」
そのスープ、僕の予想が正しければ多分中に麺が入っている。断言してもいい。
フィーアさんは、紙にさらさらとお店までの地図を書くと僕に渡してくれた。親切な人だ。
「お店の場所はこの星印を付けた場所です。ぜひ行ってみてください。」
「分かりました。今日のお昼はそこにしてみますね!」
僕はフィーアさんにそう答えると、冒険者ギルドを後にした。




