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第2章 第18話 さあ、薬草採取にいい加減出かけよう


 それから、西村とはいろんな話をした。西村がいなくなってからの事。卒論での愚痴や、もう会う事もないであろう森教授への愚痴。西村とともに過ごした思い出や、ちょっとアレな神様の手でこの世界に僕が来たことなど。西村も、自分が現実世界で死んでから自分の身に起きたこととか、この世界でしてきたこととか、今の自分の状況など。とにかくいろんな話をした。

 西村は、アオイには会わずに別の神様の手によってこの世界に転生したそうだ。転生してからは冒険者生活をしばらく続けていたが、ある時を境に冒険者暮らしをやめ、現在は裏社会に生きるアサシンとして生活しているそうだ。かつての西村を知っているだけに、アサシンとして生きていることを意外に思った。西村ならば、今僕がそうしているように普通に冒険者暮らしをしているものと思っていたからだ。なぜ冒険者暮らしを辞める事になったのか聞いてみたが、西村は複雑な思いを秘めてそうな笑顔で微笑むだけで、質問に答える事はなかった。話すつもりはない、ということだろう。

 それとは別で、気になっていたので『どうして今日僕を発見できたのか。』を聞いてみた。そしたら、今日僕が道端でカードを書き換えたところをある人物が目撃しており、その人物が僕と接触した結果『僕がこれから東の平原に向かっていく予定のはずだ。』という情報を入手。その後、その人物から今の情報を教えてもらったから。という返答を西村から得られた。また、西村はその時に聞いたポーカー勝負の顛末の情報から、件の人物が足立昭二であると気付いたそうだ。ということは・・・。


「じゃあ西村って、オルガさんの知り合いだったんだね。」

「ああ。オルガさんはうちのグループのトップだよ。」

「ちなみにおたくの隠れ家の住所ってここであってる?」

「ああ、合ってるよ。」


 オルガさんから別れ際にもらった名刺を出して確認を取ったらやっぱりそうだった。なにかあったらここに来いとは、つまりそういう事なのか。しかし世間というものは驚くほど狭いものだなぁ。世界の意外な狭さにびっくりしたところで、僕はオルガさんという単語から思い出す。今まさに仕事に出かけようとしていた事に。


「といわけで、今から薬草採取に行くつもりなんだけど一緒に来る?」


 せっかく会ったんだからと右手の親指で東門の方をさしつつ誘ってみる。西村からは、


「なにが『というわけで』なのかは知らんけど、もちろんお供させてもらうよ。」

 

 という、素敵なお返事をいただけた。




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