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第2章 第17話 まさか生きているとはな・・・


 公園で火属性魔法『シャインファイア』を無事に習得した(冒険者カードの情報はちゃんと更新された。消費MPは80だった。)僕は、改めて町の東門に向けて旅立った。依頼であるアフギ草採取のためだ。だが今まさに門をくぐろうとしたところで僕は、


「おーい、そこの少年。ちょっと待ってくれ!」


 と呼びとめられた。周りをみても他に少年と呼べそうな人間は見当たらなかったので、僕が呼ばれたんだと判断し後ろを向く。

 そこには、金髪のエルフ(男性)がいた。見たところ自分と同じくらいの年齢か。でも、見た目が全員若々しいのがエルフの特徴というのはこの業界では有名な話だ。見た目で年齢を判断するのは愚策だろう。


「なんでしょう?」


 とりあえず用件を聞いてみて様子を見る。するとエルフの人は、


「君がショウ=キリュウイン君?」


 と逆に質問してきた。とくに隠す必要もないと思い、


「はい、そうですけどあなたは?」


 と答えた。するとエルフの人はにやにやしながら―


「俺? 俺は、ユーキ=ニ・・・いや、こういうべきかな。俺は西村 遊稀。9カ月ぶりじゃね?足立 昭二さん?」


 と言ってきた。


「は・・・・・・・?西村・・・って、まさか・・・。」


 それを聞いた瞬間の気持ちは、うまく言葉に出来ない。ずいぶん前にしかたないとあきらめていた何かが、忘れたタイミングでいきなり叶った時に感じる気持ちと言ったら近いだろうか。その時の僕の心情を表現するならそんな感じだった。


「嘘・・・だろ・・・?」


 とてもではないが信じられない。でも信じたい自分がいるのも確か。すると、ここで自称西村はこれでは足りないならばとばかりにさらに情報を追加してきた。


「その西村だよ。出牛唆大学でお前にマジックを教えた。なんならお前にもう一回見せてやろうか? お前がギラヴィとかいうやつにやったサンダーチェンジを。」


 とても信じられない邂逅を本当に信じていいのか迷っていたら、自称西村は懐からカードを取り出してそう言ってきた。カードが生きてるかのように錯覚するほどの流れるようなあの華麗なカード裁き。一度でも目にすれば忘れることはない。もう間違いなかった。今目の前にいるこの金髪エルフは、間違いなく僕の師匠であった西村遊稀だ。


「・・・久しぶり、師匠。」


 僕は、泣き笑いのような顔で右手を挙げた。


「この姿では、はじめましてだな。」


 そう言って、西村は笑いながら僕に名刺のようなものを投げてきた。高速回転を与えられた名刺は、美しいカーブを描いて吸い込まれるようにして僕の右手に収まった。その卓越した技術は全く変わっていない。

 

「ああ、はじめまして、だね。」


 僕は、お返しとばかりに受け取った名刺を手のひらから消失させて、その手をヒラヒラさせながら答えた。




2017,7,11 文章を一部修正しました。

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