表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/110

第2章 第15話 実験が全ての始まりでした


 適当に公園を探して歩いている最中に、オルガさんにサンダーチェンジの種明かしをせがまれたことをきっかけとしたのか、僕ことショウ=キリュウインは少し昔の事を思い出していた。あいつと二人でマジックの練習をしていたあのころを・・・。


 あれはそう、まだ僕が足立 昭二だったころだ。出牛唆大学の3回生の時に取った、実験をひたすら行うことで有名な講義での実験で、あいつと一緒のグループになったことが始まりだった。いっしょの実験テーブル上で作業するうちにお互い打ちとけ、ひょんなことからあいつがマジックが趣味だというのを知った。

 それからというもの、暇があれば僕はあいつにいろいろなマジックを見せてもらい、それと並行して僕もいろんなマジックを覚えようとあいつに教えを乞うた。あいつは自分のマジックを、学業そっちのけで真剣に学ぼうとする僕をみて苦笑いを浮かべていたがマジックを教えるのはやめなかった。あいつの優しさに僕は感謝した。そのときの僕にとってあいつは、尊敬すべきマジックの師匠だったんだ。

 マジックを教わり続けて約一年後。そろそろ研究室配属が決定される3月頃だったか。あいつは「俺のとっておきのマジックを見せてやる。」みたいなことを言って、僕を食堂につれていくとあの技を披露した。サンダーチェンジだ。初めて見た時は本当にびっくりした。意味が分からなかった。『スゲースゲーどうやるのー!?』とか連呼していた記憶がある。あいつは、少しためらったあと、僕にそのやり方を教えてくれた。そして説明の最後にこう付け加えた。


「いいか。このマジックの種明かしだけは絶対にするなよ。どんなことがあってもだ。この場で約束しろ!もし破れば、どうなるかわからないからな!」


 と。思えば、あいつはあのときいつになく真剣な顔をしていた気がする。ひょっとしたらああなることを知っていたからなのだろうか。


「・・・ん、わかった。約束する。」


 と、あの時の僕は適当に返していた。なんか怖いなあと、僕はそんなことを思っていた気がする。

 それから少しして、あいつと僕は森教授の研究室に配属されることが決定された。ある日に、『その研究室に配属された生徒は一度集まるように。』と言うお触れメールが森教授から届いた。僕はあれからあいつと一度も会っていなかったこともあってわくわくしながら集合場所になっていた研究室に行き、あいつの到着を待った。またいろいろマジックを教えてもらえる生活が始まる。そう思うとにやにやが止まらなかった。

 だがいつまでたってもあいつは研究室にこない。寝坊でもしたのかと思って他のメンバーとともに研究室で待っていると教授が入ってきて開口一番にこう告げられた。


「西村 遊稀ゆうきが昨日事故に巻き込まれて死亡した。」


 と。


 最初はその言葉の意味がわからなかった。脳が意味を把握することを恐れて、活動を停止させたからかもしれない。でも、そんなのは所詮一時しのぎでしかなかった。その言葉の意味するところをすぐに理解してまって、僕は、僕は・・・・。


「あ、あああああああああああーーーーーーーー!!!!!」


 とその場に泣き崩れてしまった。



回想の中でとはいえ、まさかの森教授再登場・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ