第2章 第13話 忘れ物にはご注意を
少し短いかもしれません・・・。
とりとめのない会話をしながら食事を進めることしばし。食事が終了した僕たちは会計を済ませ、店を出た。するとオルガさんが、
「で、キリュウインはこのあとどうするんだ? あたしは、仕事を任されてるからそれをやりにいくつもりなんだが。」
と、こちらの予定を尋ねてきた。
それを聞いて思い出す。色々あったけど薬草採取の仕事がまだ始まってすらいないことに。なので素直に、
「ん、冒険者ギルドで薬草採取の依頼受けてるから薬草とりに行くつもりだけど。」
と返す。すると彼女は、
「お、そうなのか。お互い仕事がんばろうぜ。今日は面白いもんを見せてくれてありがとうな。じゃあまたどこかで会おうぜ。」
と言って、スタスタとどこかに歩き去っていった。ピシッと背筋を伸ばしてスッスッと足を伸ばして歩くさまは実に彼女にマッチしていてかっこいい。
歩き去る彼女に見とれていたら、なぜか彼女はその場でいきなり180°ターンしてこちらに戻ってきた。なにか忘れ物でもしたんだろうか。
「忘れ物?」
そう聞いてみる。すると彼女は、
「まあ、忘れ物っちゃあ忘れ物だな。キリュウインに渡すものがあったんだよ。・・・お、これだな。」
と言って、僕に何かを渡してきた。名刺のようなものだろうか。名刺くらいの大きさに四角くカットされた紙にどこかの住所が書いてある。それ以外は何も描かれていない質素なものだ。
「なにこれ?」
とりあえず持ち主に聞いてみた。彼女はなんとも不思議な意図を秘めた笑みを浮かべながら、
「何か困ったことがあったらそこに書かれている場所に来るといいぜ。その紙を見せながら、『あたしからの紹介で来た。』ってそこにいるやつに言えば大抵の問題は解決するからな。
それじゃ、今度こそさよならだ。」
とだけ言い残し、再びどこかに歩き去っていった。
忘れ物を取りに戻ってくることはなかった。
「・・・なんか、おもわせぶりだな・・・。」
僕はそう思わずにはいられなかった。まあ、今はとりあえず薬草をとってくることに専念しよう。でも薬草を取りに行く前に奥義書に書かれている魔法を覚えねばなるまい。
「さて、じゃあ公園のベンチにでも座りながら奥義書とやらを読みますかね・・・。」
僕は独り言をもらしつつ、適当な公園をめざして歩き始めた。




