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企画参加作品

作者: 奈月ねこ

「ピュアキュン企画」参加作品です。

 俺は佐々木孝太。ごく普通の高校二年生だ。部活はサッカー部。自分でいうのもなんだが、クラスでは目立つ存在だと思っている。体育は好きだし、勉強も中の上だ。

 そんな俺を悩ますのは一人の女子。飯島かおり。彼女はクラスで目立つ存在ではない。大人しい数人のグループの中にいる。


 何故俺を悩ますのかって?好きだからに決まってるじゃないか!


 あれは高校入試の日。俺は消しゴムを忘れてしまった。ペン入れをガサガサとあさっていたとき、斜め前に座っていた彼女が消しゴムを差し出してきた。


「私もうひとつあるから使って」


 俺には天使のように見えた。そして高校で同じクラスになれた時は運命だと思った。でも彼女は大人しく、声をかけずらい。それに、消しゴムを返したくなかった。それが唯一俺と彼女を繋いでいると思うからだ。

 そうして高校二年生でも同じクラスに!やっぱり運命か?でも皆のまえでは話しかけられない。気持ちはジリジリとしている。


 ある夕方、彼女とその友達が教室の窓辺でお喋りをしていた。夕陽に照らされて、彼女の影が長く伸びる。

 横向きの彼女の影。さらりと彼女の髪の毛が揺れる。優しげな微笑み。


 俺はたまらず、彼女の影にそっと自分の唇を重ねた。彼女と俺の影が重なる。


 俺にとっては、それがファーストキスだった。

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読しました! ええー! そんなファーストキスが? でも、そんな青春があってもいいかもです。 かなりナルシストなタイプの彼のピュアさ。 堪能いたしましたよ!
[良い点] 触れるよりドキドキしました! その手があったかー!!高校時代にしとけば良かったことがひとつ増えました。 サラッと読むことができるのに最後の破壊力。さすがです。
[良い点] 影も素敵です! 消しゴムから始まる恋、まさに青春ですね(*^_^*) ジレッたい感にラストの影のシーンにはキュンキュンきました! 孝太君、大胆にいきましたね〜( ̄▽ ̄)
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