表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本語再入門  作者: 日本語太郎
7/11

日本語再入門講座【音声・音韻】 「紙」 と「神」 ~高低アクセント~

 見渡す限りの真っ白な空間。

 青年の前に威厳いげんがある老人が立っていた。

「わしは『かみ』 じゃ」

 老人は青年にこう告げた。

「かみ……紙?」

 素なのか冗談なのか青年は老人の言葉を繰り返した。

「違う、『紙』 ではない! 『神』 じゃ」

 老人の悲哀に満ちた叫び声が響いた。


◆◆◆


 読者の皆さん、こんばんは。

 私が即興で(適当に) 作った異世界物系小説の出だしはいかがだろうか。

 まあ、お世辞にも面白いとは言えないだろうが、この際それは脇に置いておこう。

 私に小説執筆の才能がないこと位は、分かっているつもりだ。


 さて、なぜこのような小説家の様な真似ごとをしたかだが、2人の会話に注目してもらいたいからだ。

「紙」 と「神」。

 どちらも平仮名で書けば「かみ」 であり、同じ音だ。

 しかし、私達日本人は「紙」 と「神」 を聞き分け、また言い分けることができている。

 近くに日本人の家族や友人がいるのなら、「紙」 と「神」 のどちらを発音したかクイズしてみるといいだろう。生まれも育ちも同じ日本人同士なら、おそらく百発百中で正解できるだろう。


 さて、ここでひとつ疑問ができる。

 なぜ表記上は同じ発音である「かみ」 なのに、我々日本人は使い分けることができるのだろうか?


 このような言語の「おと」 に関する学問を「音声学おんせいがく音韻論おんいんろん」 という。


 まず結論から言うと、「おとの高さ」、つまりアクセントが違う。


 日本語では言葉を「音の高さ」 で区別しているのだ。


 と言っても、いきなりではイメージしにくいだろう。

 そこで音楽の「ド」 と「ミ」 の音で考えてみよう。


「ド・ミ」 の音階で「かみ」 と言うと「紙」 の発音になる。

「ミ・ド」 の音階で「かみ」 というと「神」 の発音になる。


 実は日本語は全ての単語や文章が「高低アクセント」 で出来ている。

 例えば以下の文章の高低はどうなるか。


「私は学生です」


 読者の皆さんも音の高さに注意して発音してみてもらいたい。



 正解は以下の通りだ。


わ(ド) た(ミ) し(ミ) は(ミ) が(ド) く(ミ) せ(ミ) い(ミ) で(ミ) す(ド)


 いかがだろうか?

 正しい音階で発音出来ただろうか?



 このように日本語の特徴のひとつとして、「高低こうていアクセント」 がある。



2015年9月13日訂正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ