日本語教師になるには?
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【日本語教師になるには】
前回は日本語学校の1コマを紹介したが、そもそも日本語教師になるにはどうしたらいいだろうか。
日本語を教える場も色々ある。
地域のボランティアで教えている方もいるし、国内外の大学や民間の日本語学校で教鞭をとられている方もいるだろう。
この内、地域のボランティアで教える場合は、必要な資格は特にない。
やる気や熱意があれば、大抵のボランティア教室では歓迎されるだろう。
また、日本語の教え方もボランティアの先輩スタッフから教えてもらえるので、初めての場合でも積極的に参加してもらいたい。
では、地域のボランティア教室はどこにあるのか?
読者の皆さんが住んでいる市町村の広報誌やホームページで、募集していることが多い。
「国際交流会」「日本語教室」 等があれば、是非連絡してみるといいだろう。
なお、「日本語教室」 でも、市町村ごとにシステムが異なる。
例えば、以前私が参加していた国際交流会の日本語教室では、90分間のマンツーマン個別授業だった。
教科書を順番に教えていくやり方だ。
主な学習者は大人(大学生や社会人) だった。
一方で日本語教室のスタッフ交流で知り合った別の組織の話では、スタッフと学習者がそれぞれ2人~3人ずつのグループで、主に日本語での会話を中心としたボランティアや、日本の小学校に転校してきた外国人児童を学校の授業中にサポートをするボランティア組織もあった。
このように「日本語ボランティア」 と一言で表しても様々な種類があるので、もし参加する場合は各団体に問い合わせてみるのもいいだろう。
さて、いよいよ本題である。
国内外の大学や民間の日本語学校で「仕事」 として日本語を教える場合、どのような資格がいるだろうか。
大学や日本語学校で教える場合は、「日本語教師」 の資格取得が必要だ。
「日本語教師」 の資格は国家資格ではなく、民間資格である。
「日本語教師」 の資格は以下①~③の条件のうち、1つ以上を満たさなければならない。
①大学で「日本語教育」 を主専攻、もしくは副専攻した者
②420時間の「日本語教師養成講座」 を受講し修了した者
③「日本語教育能力検定試験」 に合格した者
それぞれに長所と短所がある。
まず①について。
もし読者の方が現役の大学生や高校生等の場合、この方法が一番手っ取り早いだろう。
ただし当然ながら、「日本語教育」 の授業が開講されていなければならないので、開講されていない大学では不可能だ。
また、社会人の方が「日本語教師」 になるためだけに、大学で4年間過ごすのは現実的ではないと思う。
次に②について。
最初に素朴な疑問。
「420時間」 とは、どこから来たのか?
答えは①の大学で副専攻したときに必要な単位数が25単位だ。
この25単位を時間換算すると「420時間」 になる。
「日本語教師養成講座」 の利点は、誰にでも開かれていることだ。
社会人でも夜間や土日に授業を行っている所もあり、きちんと授業を受け試験に合格すれば、「日本語教師」 の資格を手に入れられる。
値段の相場は、50万円~60万円前後で、コースにより半年~1年程度で卒業できる。
一方で大学ほどではないが、やはり時間と経費がかかる点が問題点だろう。
ただし、真面目に受講すれば、一番資格の取得が簡単な方法かもしれない。
また、学校によってカリキュラムが千差万別に異なるのも特徴だ。
私が通った「養成講座」 は、授業の進め方や教育実習など「実習・実践」 が非常に多かった。
特に後半になると、授業の指導案を担任に提出すると真っ赤になって返ってきたのはいい思い出だ。一時期、クラス中が自分達の日本語力に自信喪失状態となったほどだ。
一方で同期の話では、養成講座での実習は420時間の内でほんの数時間程度で、後はずっと座学だったそうだ。
「養成講座」 と一言で言っても、学校が変われば内容も大きく変わる。
もし受けるなら、複数の「養成講座」 を比較して自分に合ったところを選ぶといいだろう。
③について。
この試験は、毎年10月末の日曜日に丸一日かけて行われる。
試験は3つあり、日本語教師として必要な基礎知識は勿論、現場での対応能力などが問われる。
「日本語教育能力検定試験」 に合格すれば、「日本語教師」 になれるが、試験内容は出題範囲が広く非常に難しい。
試験に合格するためには、根気と努力が必要になってくるだろう。
もし読者の方が、「日本語教師」 を目指すならば、この3つの中から自分に合ったものを選び、挑戦してみて欲しい。
なお、「日本語教師」 の求人情報はインターネットの専門サイトで見ることができる。
私が日本語学校への就職活動で利用したサイトを紹介しよう。
日本語オンライン
http://nihongo-online.jp/net/
日本語教師の集い
http://www.e-tsudoi.com/
日本村
http://job.nihonmura.jp/
それでは今回は失礼する。