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こいつが食べました

○健全な研究室


 天々城は危機を感じていた。女性の論理学徒のさトぅーが賢者エルフを見ていたし、賢者エルフのせいで研究室が異世界になっている。そこはかとなく手遅れ。


天々城(てんてんじょう)

「さトぅーさん……」


さトぅー

「そちらはどちら様?」


天々城

「賢者エルフ」


エーリル

「エーリルです」


さトぅー

「薄着だし、コスプレじゃん。

アンタそういう趣味あったの?」


天々城

「コスプレはヤコビ多様体しか認めてない」


さトぅー

「はいはい」


エーリル

「天々城さん、この方は?」


天々城

「論理学徒のさトぅーさん」


さトぅー

「その発音ひどいから教えないでよ」


エーリル

「よろしくお願いします、さトぅーさん」


天々城

「完璧な発音。賢者エルフは賢者だった」


さトぅー

「もうそれでいいから、現状を説明して」




~単細胞でも分かる! ここまでのエーリルさん~


食べ物がない

→草を食べればいいんじゃね?

→光になる

→耳が痛い

→+、×を作る




さトぅー

「……はぁ?」


天々城

「適応力は慣れ」


エーリル

「私もよくわからない」


さトぅー

「本人がわかってないじゃない、ねえ?」


天々城

「ここにいる全員よくわかってない」


さトぅー

「聞いても無駄なのはわかった」


天々城

「さトぅーさんは何しに来たんだ?」


さトぅー

「健全性と完全性について調べに来たんだけど」


天々城

「あっ、はい」


さトぅー

「なんかわかりやすい資料ない?」


天々城

「ネットとか図書館はどうした。教授もいるだろ」


さトぅー

「いい資料がなかった」


天々城

「それは詰み」


エーリル

「何の話?」


天々城

「さトぅーさんは喋り言葉しか使えないから、数学語がわからない」


さトぅー

「記号で書かれてもわからないでしょ」


天々城

「自然言語は精度が悪いからわからない」


さトぅー

「エーリルさん、この人ひどい」


エーリル

「自然言語に問題があるんじゃない?」


さトぅー

「あのさ、天々城。

 エーリルさんに何をしたの?」


天々城

「文字と位取り記数法を教えた」


さトぅー

「絶対に嘘。そんなの小学校でやってるはず」


天々城

「+と×をどう作るかって話をしようとしてた」


さトぅー

「え」


天々城

「全てを一から始める」


エーリル

「全ては始まったばかり」


さトぅー

「格好つけて言ってるけど、私のクッキーどうしたの?

 私食べるどころか一口も食べてないんだけど」


天々城

「こいつが食べました」


エーリル

「アレは美味しかった」


さトぅー

「ユ" ル" サ" ナ" イ"」


エーリル

「ひぃいい」


天々城

「ここは俺が食い止める」


エーリル

「天々城さん……!」


さトぅー

「あのクッキー、高かったのにぃッ!」


天々城

「そういうのは家で食べろ」


さトぅー

「あ?」胸倉をつかむ


天々城

「物理はよせ。定理で殴れ」


さトぅー

「クッキーの恨み」拳(物理)


天々城

「ぐっ……いくんだ、賢者エルフ」


エーリル

「天々城さん、貴方のことは忘れませんっ……!」




\カッ/




天々城

「え? マジで置いてくの?

 さトぅーさん、指関節はまずい」


さトぅー

「アンタはリアルを知った方がいい」関節が締まる音

さトぅー:女性の論理学徒。発音を良くすることがミソ。

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