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最初のダンジョンからどうしようもない

静止画×1

gif×2

○健全な研究室



天々城

「そうか。ハーレムじゃなくてゴーレムなのか」


エーリル

「そういうこと」





 天々城はレポートを真面目にとりくむ数学徒である。すなわち時間がないので、近況を聞きながら賢者エルフにPCゲームを伝承していた。どこにでもある剣と魔法のファンタジーRPG。本家(エーリル)の前では霞んで見える。




天々城

「しかしそのゲームは石からゴーレム創るシステムがない。残念だナ」


エーリル

「うえぇ。画面真っ赤になった」


天々城

「体力が0になると保存した場所から冒険するハメになる」


エーリル

「0って二進法とかでやたら見るけど、0だけは初めて見た。1の前っぽいのはわかる」


天々城

「0だけで使えるかどうかで戦場になることがある」


エーリル

「0怖い」


天々城

「結局、どっちでもいいんだけどナ」


エーリル

「無用な戦いだった」


天々城

「考える分にはいくらでも考えればいい。

ただし直接攻撃(ダイレクト・アタック)はなし」


エーリル

「今も頭が沸騰しそうになってる」


天々城

「顔はもう沸騰してるぞ」


エーリル

「このゲーム、薬草を数字と代えるシステムがあるよね」


天々城

「言いたいことはわかる」


エーリル

「『二つの数を合わせている』のは分かるけど、何だかピンと来ない」


天々城

「じゃあ、そんな賢者エルフに新たな力をあげよう」




挿絵(By みてみん)




エーリル

「これが新たなる力……」


天々城

「表の縦に並んでいる数字と横に並んでいる数字を決めて、その列がクロスしているところに、合わせた数字の一撃を喰らわせる。

 例えば、2と1を合わせたらどうなる?」


エーリル

「2、いや3かな」


天々城

「ん?」


エーリル

「なんだかわからない」


天々城

「数を変えよう。1と1ならどうだ?」


エーリル

「1? でも2のような気がするし……」


天々城

「待てよ、他の数になりそうか?

 1と1を合わせたら、3とか、4とかになるか?」


エーリル

「それは、無理そう」


天々城

「これはアレだ。表が2ついるかもしれない」


エーリル

「え?」


天々城

「数のペアを作ると2通りの数が湧いてくるんじゃないか?」


エーリル

「確かに2つ出てきてどっちか迷ってる」


天々城

「だったら2つとも書けばいい。

 指でもなんでもいいから、使えるものは使っていけ」


エーリル

「心が広い」




挿絵(By みてみん)




エーリル

「ふむ」




挿絵(By みてみん)




エーリル

「なんか全然違うことになった」


天々城

「今回はちょっと事故ったか」


エーリル

「自覚してる」




天々城

「『数を合わせる方法は一つだけではない』」




エーリル

「心のどこかで無理矢理一つにしようとしてた」


天々城

「よくある過ち」


エーリル

「反省してる」


天々城

「最初のは+(足し算)、次は×(掛け算)とか名前が付いてる」


エーリル

「これって3より大きな数でもできるはずだよね」


天々城

「できるが、ここには魔物が蔓延(はびこ)っている」


エーリル

「ひょ?」


天々城

「言われてみればわかるはずだ。そもそも、」




―――― 全部の数のペアに、+や×を()()()のか? ――――




エーリル

「作るって感じはしなかったけど。

 そこにあるからって感じ」


天々城

「それだと限界がある」


エーリル

「ん? んー……」


天々城

「さっきのは一つ一つ虱潰しに作っていくやり方だ。

 あの世界の数はいくらでも増える。

 10000とか、100000000とか、色々あるだろ?」


エーリル

「魔物だらけだった」


天々城

「そういうヤツら『全部を合体』させる方法がある」


エーリル

「それはデタラメに強そうな気がするんだけど、そんなことよりドアの向こうに誰かいる」


天々城

「――――マジで?」

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