阿鼻叫喚にされた
※
隠しgif×1
注釈追加
○健全な研究室
エーリル
「ディアナは大丈夫。完璧に送り返したから」
天々城
「転送先が土の中みたいなオチはなしで」
エーリル
「ドワーフたちは土の中で生きているので問題なし」
天々城
「心強い」
エーリル
「じゃあ今度は私の話で」
天々城
「『指の数が足りなくて数えきれない。どうしよう』って話だろ」
エーリル
「こ、心を読まれたッ!?」
天々城
「知識を蓄積させることで予知能力が開眼する」
エーリル
「強い、勝てない」
天々城
「強くなるためには訓練が必要だ。
まずは今まで通り指で数えることから始めるといい」
エーリル
「強くなりたい強くなりたい……」
~訓練されていくエーリルの指の様子~
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↓
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エーリル
「曲げる指がない。もう強くなれない。こうなったら――――」
天々城
「ないなら増やせばいい。
ただし魔法で指を増やすのはなしだ」
エーリル
「また読まれたッ!?」
天々城
「そんな賢者エルフに紙とペンを貸してあげよう。
我らの力の根源だ」
エーリル
「力……根源」
天々城
「コンビニで手に入る」
エーリル
「力、根源、コンビニ。エーリル、覚えた」
天々城
「ついでにこれも覚えてほしい」
【 数える → 1 】
天々城
「準備は整った」
【 数える数える → 11 】
天々城
「と文字を連発することで新世界の扉が開く」
エーリル
「新世界の扉を開いてみる」
~エーリルの覚醒~
エーリル
「扉が、開いた」
天々城
「祝福しよう」
エーリル
「指を使う発想から離れないと、この境地には到達できない」
天々城
「指の数には限界があった。
邪魔してたのはそれだナ」
エーリル
「でも紙が1でいっぱいになったら数え切れなくなる」
天々城
「その時は新しい紙を使えば問題なし。
ないなら増やせばいい」
エーリル
「『ないなら増やせばいい』。エーリル覚えた」
天々城
「ただし、文字を少なくする方法はある」
エーリル
「ど、どういうこと?」
天々城
「今のところ使える文字は『1』だけだから、新しい文字を増やす」
【 → 0 】
エーリル
「あれ、『数える』みたいな元の言葉は?」
天々城
「文字が増えただけだ。『0』にはまだ魂が籠もってない」
エーリル
「つまり今から魂を込めると」
天々城
「今から言葉が切り替わる。
とりあえず、この言葉を『一進法』と呼んでおく。
本当はマズイんだけどな」
エーリル
「草木の言葉から動物の言葉になる感じ?」
天々城
「オマエ、本当に何でもアリだな」
エーリル
「賢者エルフなので」
天々城
「賢者エルフなら仕方ない」
~新たなる言葉~
エーリル
「うおぉ!?」
天々城
「こいつが『二進法』だ」
エーリル
「一番右の文字が忙しい」
天々城
「0の次は1、1の次は左隣の文字を増やして、増やした文字を0にする」
エーリル
「声にするとヤヤコシイのね」
天々城
「手を動かした方が幸せになる」
~れんしゅー~
1101
→ 1110
1011
→ 1100
1111
→ 10000
エーリル
「書いた方が強くなる」
天々城
「だろ?」
エーリル
「それに同じ数でも二進法の方が文字が少ないし」
~比べてみた~
1111111111
1010
天々城
「これで使う紙を少なくできるな」
エーリル
「じゃあもっと使う文字を多くすると……」
天々城
「もっと短くなる。
ただし文字を覚えるのが面倒くさくなるので疲労感が増す」
エーリル
「それ経験者の言い方」
天々城
「まあな。どんな数にも二進数みたいな言葉があるわけだが、一番使うのはこれ」
~指の数に合わせてみた言葉~
1
→ 2
→ 3
→ 4
→ 5
→ 6
→ 7
→ 8
→ 9
→ 10
エーリル
「うわっ……」
天々城
「俺も二進法やったあとだから『うわっ……』ってなった」
エーリル
「世の中そんな簡単にはいかないのね」
天々城
「『十進法』っていう言葉。
買い物以外で3より大きい数字を使ったことがない」
エーリル
「多分、普通に考えてたら二進法を飛ばして十進法が先だったかも」
天々城
「賢者エルフはしばらくお世話になる言葉だと思うよ」
エーリル
「覚えてしまえば、って感じはする」
天々城
「基本は二進法と同じ。
9の次は左隣の文字を増やして、増やした文字を0にする」
エーリル
「書いた分だけ強くなるので書く」
~れんしゅー~
23
→ 24
29
→ 30
159
→ 160
999
→ 1000
エーリル
「コツを覚えれば余裕」
天々城
「賢者エルフは強いナ」
エーリル
「村のエルフたちにも教えようと思ったけど、ちょっと時間かかりそう」
天々城
「上手く使えるかどうかはオマエら次第」
エーリル
「文字が便利なのは分かった。強くなった」
天々城
「文字と言えばアレだ。『10進法』の10が『二進法の10』になってるという阿鼻叫喚ネタがある」
エーリル
「発狂した」
※注釈
N進法はN>1(Nは自然数)で定義される。
N進法の定義をそのままN=1に使うとヤバイことになる。
参考資料
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8D%E5%8F%96%E3%82%8A%E8%A8%98%E6%95%B0%E6%B3%95