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イケメンがやってきた

〇健全な研究室


 エーリルがなんか予感がすると言って、ディアナを研究室に連れてきた。

 さトぅーはレポート作成中で、天々城は不在である。



さトぅー

「エーリルさん、その子は?」


エーリル

「私の知り合い」


ディアナ

「さトぅーさんですね。

 私はドワーフの姫、ディアナと申します。

 かねがね、お礼を言わねばと思っておりました。

 我々に多くの英知を授けていただいたことを心より感謝いたします」


さトぅー

「ご、ご丁寧にどうも」


エーリル

「さトぅーさん、なんかオドオドしてる」


さトぅー

「なんていうのかしらね。

 全身鎧で武人の雰囲気があるし、人の上に立つためのオーラっていうのかな。

 なんかそういう圧力を感じてね」


エーリル

「でも小さい」


ディアナ

「種族が違いますからね。

 ドワーフでは寧ろ少し高いくらいですよ」


さトぅー

「それで今日はなんの用かしら」


エーリル

「この前もらったメモのことなんだけど」




~賢者説明中~




さトぅー

「話を聞く限り問題なさそうね。

 よく理解していると思う」


エーリル

「免許皆伝だ」


さトぅー

「ディアナ姫に今までやった論理のことを話したの?」


エーリル

「うん、なんか理解してるみたい」


ディアナ

「そちらの言葉は相変わらず読めませんが、論理の言葉は読めるようになりました」


さトぅー

「ホントに? ホントならすごいわね。

 せっかくだし、自然数を一階述語論理でキチンとやってみない?」


エーリル

「0とか1とかの話?

 そういえば天々城さんがこんなことを言ってたっけ」




―――― 全部の数のペアに、+や×を()()()のか? ――――



さトぅー

「アイツそんなこと言ってたの?

 でもそうね、ペアノ算術はやるだろうし」


エーリル

「ペアノ算術とは?」


さトぅー

「自然数の公理系のことなんだけど、えっと……」


ディアナ

「誰か来ますね」




#天々城が入室しました#




天々城

「ヤツだ! 隠れろ!」


さトぅー

「……はい?」


天々城

「さトぅーさんじゃない。

 そっちの二人だ」


ディアナ

「承知しました。

 エーリル、隠密魔法で使えるのはありませんか?」


エーリル

「OK」




\スッ/




さトぅー

「き、消えた……」


天々城

「流石プロ」




#クアトロドルフが入室しました#




クアトロドルフ

「はあ、はあ……」


天々城

「どうした()特待生。

 開球でも膨らましてたのか?」


クアトロドルフ

「そういうキミこそ、さトぅーさんが恋しくて走ってきたんじゃないのかい?」


さトぅー

「……はい?」


天々城

「昨日このイケメンに捕まって戻ってこれなかった。

 あとトーラス買ってきたぞ」


さトぅー

「はいはいわかった。ドーナツどうも」


クアトロドルフ

「ほら見ろ。キミたち仲がいいじゃないか」


さトぅー

「クアトロドルフくん。

 私に中ニ病患者の面倒を見ろっていうの?」


クアトロドルフ

「確かに天々城くんの頭の中はビームを打ちそうな感じだね。

 実によくわかるよ」


天々城

「それ以上言ったら、俺の双子の終焉の超姉貴を呼ぶぞ」


さトぅー、クアトロドルフ

「や め て く だ さ い」


天々城

「終焉にならなくてよかったナ」


クアトロドルフ

「それにしてもこの部屋、妙に土と草が混じったような匂いがしますね」


天々城、さトぅー

(──マズイ)




ディアナ

(エーリル、匂いを消し忘れてますよ)


エーリル

(今急に消したら不自然に思われる)


ディアナ

(では少しずつ消してください)


エーリル

(OK)




クアトロドルフ

「植木でも始めたのかい?」


天々城

「そんなところだ。お前はなにしに来たんだ?」


クアトロドルフ

「昨日話しただろう?

 整数論を一緒に勉強するついでに、キミたちの様子を見にくるってね」


天々城

「じゃあ部屋を変えよう。

 さトぅーさんの邪魔になるからナ」


クアトロドルフ

「いやいや、それだと他の部屋の学生に迷惑をかけてしまうじゃないか」


天々城

「俺が空いてる部屋を探す」


クアトロドルフ

「それならボクの友達に声をかけて探してもらうよ。

 キミもボクも走り回る必要がないだろう?」


天々城

(コイツ、意地でもこの部屋から出ないつもりだナ)


クアトロドルフ

(天々城くん、キミの考えは手にとるようにわかる。

 さトぅーさんに気があるんだろう? そうだろう?)




エーリル

(うーん、ちょっと苦しくなってきた)


ディアナ

(なにがです?)


エーリル

(まず、私とディアナをこの世界に固定する魔力と、帰りの魔力がいる)


ディアナ

(はい)


エーリル

(言語を翻訳する魔力と、隠密魔法の維持に魔力を使ってる)


ディアナ

(……)


エーリル

(ちょっと無理かも)




さトぅー

「うるさくするなら外でやってもらえる?

 私、音があると集中力を切らすタイプなの」


クアトロドルフ

「それはすまなかった。

 冷静に考えると、ボクはキミたちの邪魔になるね」


天々城

「正論だ」


さトぅー

「正論ね」


クアトロドルフ

「仕方ない。今日はこれで失礼するよ」(ニヤニヤ


天々城

「おう、じゃあナ」




#クアトロドルフが退室しました#




\スッ/




天々城

「やったか?」


エーリル

「た、助かった。魔力ギリギリ」





#クアトロドルフが入室しました#




クアトロドルフ

「冷静に考えると、ボクが静かにすればいいんじゃないか」


さトぅー、エーリル、ディアナ

「あっ」


天々城

「オィイイイイイイイイイイ!」


クアトロドルフ

「ん?」

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