試しに作ってみた
※画像×1
○健全な研究室
天々城
「今から言葉を作る。目標は『数の世界を文字で再現すること』だ」
エーリル
「言葉作りは文量との戦い」
天々城
「いきなりの最終形態では俺たちの頭が亜空間になるので、簡単な設定で体を慣らす」
エーリル
「包まれるような優しさ」
天々城
「手始めに、適当に文を書いたらどうなるか実験する」
◆試しに作ってみた
・さトぅーさんの机
・ヤシの実
・風属性
・う゛ぁあああああ
さトぅー
「ちょっと待って」
天々城
「なにを?」
さトぅー
「私とヤシの実は関係ないし、意味不明な誤解を招くだけ。
もはや文になってないじゃない」
天々城
「『文じゃない文字の並びがある』のは発見だナ」
エーリル
「『う゛ぁあああああ』とか叫んでるだけだし、文っぽくない」
さトぅー
「上手く利用された感じがして悔しいんだけど」
天々城
「それに、さっきの4つの文では考えてるようなオーラはない」
エーリル
「そっか。文字で数の世界を再現するんだから、考える機能もいるのね」
天々城
「だから、さっきの文ではあまりに悲惨。この状況を攻略しないといけない」
さトぅー
「アンタの文法が既に悲惨なんだけど」
天々城
「さトぅーさんがファインプレーを連発している」
さトぅー
「ん?」
天々城
「まずは『文か文ではないかを決める』機能、いわゆる『文法』を装備する」
さトぅー
「手玉に取られた感じがして凄い悔しい」
天々城
「論理の業界だと、文は別の概念に使いたいので、代わりにformulaという単語を使うことにする」
◆文法
・「さトぅーさんの机」はformula
・「ヤシの実」はformula
・「風属性」はformula
・「さトぅーさんの机」「ヤシの実」「風属性」以外はformulaではない
天々城
「いつものように俺ルールを発動した。これで『う゛ぁあああああ』はformulaじゃない」
さトぅー
「こんなの納得できないわ。私の風評被害が出る」
天々城
「俺ルール故に仕方無し」
さトぅー
「はいはい」
エーリル
「考えるシステムはどうするの?」
天々城
「もしも賢者エルフが考えなかったらどうなる?」
エーリル
「考えなかったらボーッとしてる」
天々城
「何も言わないわけだ。だから『次の文は出てこない』」
エーリル
「んー、ということは最低でも『文を変えていく』システムがいるの?」
天々城
「そういうこと。これはinference ruleと呼ばれている。
文と文を向きが分かるように繋げばいい」
◆inference rule
①
さトぅーさんの机
―――――――[中身]
ヤシの実
②
ヤシの実
―――――――[割る]
さトぅーさんの机
天々城
「矢印で書くと分かりやすい」
天々城
「こんな感じにしておこう」
さトぅー
「不思議空間すぎる」
エーリル
「これなら文の意味が分からなくても、矢印見れば何とかなりそう」
天々城
「正直、意味はどうでもいいからナ」
さトぅー
「じゃあさ、私の名前使わなくてもいいよね?」
天々城
「気づいてしまったか。侮れない」
さトぅー
「絶対に許さない」