一撃で仕留める1
※ゆっくりめのgif
○健全な研究室
エーリルはファンタジーの住人だが、研究室ではネトゲに浸食されていた。ネトゲしてる間は大人しいので放置。天々城はレポートを書き、さトぅーは読めない論文を眺めていた。
さトぅー
「この前の飲み会でさ……」
エーリル
「飲み会ってなに?」
天々城
「賢者エルフはファンタジーから来たので、飲み会はわからない」
さトぅー
「でしょうね……」
天々城
「悟ったか」
さトぅー
「耳が長いし、よく光るから、もうそういう人なんだなって思うことにした」
天々城
「人じゃなくてエルフ」
エーリル
「え? 人とエルフって違うの?」
天々城
「人は光らない」
エーリル
「人って不思議ね」
さトぅー
「それで飲み会の話なんだけど」
天々城
「賢者エルフ、そこヤベェよ?」
ネトゲ:トラップ 発動 ! プレイヤー は ヒラメ に なりました !
エーリル
「ヒラメェ……」
さトぅー
「なんで剣と魔法ファンタジーのゲームにヒラメ出てくるの?
おかしいよね?」
天々城
「そこだけヒラメ・ファンタジー」
エーリル
「ヒラメってなんなの」
天々城
「海にいる二次元の使徒」
エーリル
「つよそう」
さトぅー
「それより飲み会なんだけどさ」
天々城
「へー、さトぅーさんは飲み会に行く時間があるのか。
松島の島々の霊気をぶつけたい」
エーリル
「松島さんもつよそう」
さトぅー
「天々城さ。人に『飲み会は分からない』って言っておいて自分は『松島』発言じゃない?
そういうのはどうかと思うの」
天々城
「ブーメラン
ああ、ブーメラン
ブーメラン」
さトぅー
「はいはい」
天々城
「ここまでテンプレ」
エーリル
「ブーメランとは?」
天々城
「どうやらヤツの出番が来たようだな……」
さトぅー
「ねえ、飲み会の話をさせてよ」
天々城
「文字の威力を思い知るがいい」
エーリル
「あ、またヒラメになった」
天々城
「ここまでの流れをまとめる」
・エーリルは「飲み会」がわからない。
・エーリルは「ヒラメ」がわからない。
・エーリルは「松島」がわからない。
・エーリルは「ブーメラン」がわからない。
エーリル
「私を的確な表現されてしまった」
さトぅー
「よく覚えてたわね」
天々城
「数学語を覚えた方が良かった」
エーリル
「でも長い」
天々城
「賢者エルフは鋭いナ」
エーリル
「ま、まさか……!?」
天々城
「面倒だったら便利な道具を使いたくなるだろ?」
エーリル
「あ、全部まとめちゃったわけか」
天々城
「賢者エルフが分からないシリーズ揃えて書いてたらマジしんどい」
エーリル
「それはトンデモないことになる」
天々城
「このアイディアの強みは『表しているモノが多くても1文字で書ける』ってところだ」
エーリル
「……!?」
天々城
「感覚的には『空っぽの箱』」
・エーリルは「 」が分からない。
天々城
「だから、箱の中に文字を入れることできる。
柔らかい文字だナ」
エーリル
「この発想を崇めたい」
天々城
「variableって呼ばれてる。
基本的に俺ルールを宣言してその場で決めておく」
さトぅー
「『x』があるでしょ」
天々城
「形にとらわれると大量のvariableが出現した場合、次元の隙間に吸い込まれる」
さトぅー
「はいはい」
天々城
「『ヒラメ』とか『ブーメラン』は箱の中身が詰まっているわけだ。
こっちはconstantって名前がついてる。
これも俺ルールでその場で決めておく」
エーリル
「『名前の集まり』にvariableやconstantって名前をつけてる発想が既におかしい」
天々城
「これがないと数学、物理、プログラムなんかもお手上げ」
エーリル
「わからないと詰むヤツだった」
天々城
「慣れておくか?」
エーリル
「私、もっと強くなりたい」
さトぅー
「ねぇ、飲み会の話は?」