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三姉妹
姉の次に私は生まれ、私の次に妹が生まれた。
いわゆる三姉妹。
母の家系は女系家族で、男の子がなかなか生まれない。
「水がそうさせる」
なんて迷信まである。
祖父は六人兄弟の末っ子として生まれ、兄弟唯一の男児だった。
それ以来男は生まれていない。
姉はおとなしく、穏やか。
妹はお転婆娘。
私にはお調子者というポジションが与えられた。
与えられたのか、生まれた時からそうだったのか、よく分からないけど。
仲は良かったのか、悪かったのか、今思い返しても分からない。
よく遊んで仲が良かったように思うし、喧嘩ばかりしていたようにも思う。
父は男の子を欲しがった。
野球をさせて、自分の夢であった甲子園に出場して欲しかったらしい。
男の子が生まれれば「甲子」「球児」とつける!
と決めていたらしい。
しかし、女が3人生まれた時点でその夢は諦めたようだ。
私たち三姉妹は父の影響からか、物心ついた時にはソフトボールをしており、中学にあがるまで父のスパルタ教育を受けた。