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ー百鬼夜行ー
それは夜中に異形の集団が町を徘徊することをいい、日本の説話に登場することが多い。
異形の集団といっても最も多いのは、百の鬼が闊歩していることだか、たまにこう言うものが現れるのだ。
百鬼夜行は、死者の集団だと・・・・・
百鬼夜行に遭遇すると死んでしまうと百鬼夜行日といわれる日は、夜に出歩かないという風習があったそうだ。
だか、現代日本はどうだろうか。
夜中だろうが出歩く人は多い。
そんなときは、こう唱えて欲しい。
「カタシハヤ、エカセニクリニ、タメルサケ、テエヒ、アシエヒ、ワレシコニケリ」
そうすれば百鬼夜行から害を逃れるという。
だかしかし、それでも強力な鬼もしくは死者を見つけたさいは、どうぞ194-392-43092におかけください。
あなたの命があるうち・・・
ーーー5月巳日ーーー
「くそ、いくら100体だからって鬼1匹倒すのだって大変なのにクソババアは、なにのんびり休んでやがる!!」
野球場がある運動公園を百鬼夜行から逃げながら文句を言う少年は、普通の人間からしたらおかしな子だと笑われるかもしれないが、今の現状で思う人はいない。
百鬼夜行日は月に1度、正月、2月子日、3、4月午日、5月・6月巳日、7月・8月戌日、9月・10月未日、11月・12月辰日の12日ある。
12日間の夜に出歩くことが許されるのは、陰陽師だけ。
だから、目撃されても同業者か仲間のどちらかなのだ。
「くそ!絶対ブチ殺すからな、ババア!その前に、さっきから追いかけてきてる鬼を消す!」
急斜面を走りながら逃げていた少年は、残りの斜面を走らず、飛んで平面に降りるとすぐに方向転換する。
先ほどから追いかけてくる鬼の数は、25体ほど。
さっきから地道に倒した数が、12体。
全部倒しても残りは、63体。
くそ!本気をだせば25体なんぞすぐ消せるが流石に面倒だし、体力が問題だ。
どうするか。
「しぁない!来い式神!《白虎》!」
彼は、右足の付け根辺りにつけていたケースから札をとり、天を仰いでそう叫ぶと護符が光る。
「急急如律令!」
たちまち、護符から使役していた白い虎が出てくる。全長は、約3mほどだろうか。
白虎が吼えると森が轟き、鳥がざわめく。
流石に鬼も怯み、足が止まる。
「さぁ第二セットだ。つぎは俺が追いかけるから逃げて下さいね、鬼さん。」
追いかけまわされてイライラが積もっていたからか、やっと退治できると、悪役っぽい顔で笑った。