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第13科目 泣いた

光の誕生日を祝い終えてみんなとても満足そうにしていたが、和義が急に真剣な顔になり強攻にほんの数時間前のことを聞いた。


「強攻、あの式は一体なんだったんだ、見た限りでは科学式でも魔術式でもなさそうだが、それに強攻が戦っていた相手が式の攻撃にあたった時、相手の体がすでに消え失せていた、あれはどういうことなんだ?」ついに聞かれたか、と心で思いながらそれについてはまだ言いたくはないし第一、言った所で自分へのリスクが増えるだけだ。


「すいませんがそれについてはお話することは出来ません、委員長」すると和義はちょっと苦い顔をしたがすぐに元の表情に戻った。


「わかったこれ以上、式について聞くことにしない、それと委員長と呼ぶのはやめてくれるか今日、改めて思ったが学校以外でそう呼ばれるのは堅苦しくて息苦しく感じる、まぁ呼び捨てで構わない」そう言われて俺は「それでは次から呼び捨てで」と言いながら、心の中で式の事について深く詮索されなかったことに安堵のため息を吐いた。


「最後に一つ聞いていいか?」


「強攻、お前の相手をしていた人は死んだのか?」それを聞いて空気がガラッと冷たくなる、俺と強攻が喋っているからと言ってまったく聞こえ無い訳ではない、いいや、逆にみんな式について聞くために来たのだから俺と和義の話を聞かないはずがない。


「あぁ、死んだ・・・・・」それを聞いて和義もそうだがみんなも恐怖に顔を歪ませている、それは光も例外ではない、普通は人なんて殺せるわけが無いし、まず人が目の前で死ぬこともめったにないだろうさらにそれに付け加えて人が血もださずまるでデータを消すかの様にあっけなく死んだんだ、恐怖を覚えないわけが無いよな・・・・・・


  ●  ●  ● 


私は恐怖を感じていなかった。お兄ちゃんが見たことも無い式で敵を消した時、ただ素直にお兄ちゃんは強いなと、ただただそう思った。

 だけど和義さんが最後に聞いた質問のお兄ちゃんの答えを聞いて私はやっと感じた・・・・感じてしまった。

私のお兄ちゃんは人を殺した、あのよく分からない式で人を殺した、平気な顔して殺した、今度は自分が殺されるのでは、という恐怖を植えつけられる感覚が体中に電流のようにつたわっていく、早くここから逃げ出したくて仕方ない、そう思いながらもなんとか逃げ出したいと、思う衝動をなんとか抑えることが出来た。そのおかげか少し周りをみる余裕が生まれた、他のみんなの様子を見て見てると、和義さんは恐怖で顔を歪めてはいるものの、みなとは違い少し冷静さが感じられる、近衛はいつもと同じで

落ち着いているように見えるが、顔には冷汗が流れていて、目には明らかな動揺がある、晴海は恐怖を感じながらも何か言おうとしているが声が出ていないいくら頑張っても聞こえて来るのはかすれた声だけで、なんと言っているかまでは聞き取れそうにない、龍野さんは恐怖と驚きが入り混じった表情でただただ呆然としていた。

 私は忘れた・・・・忘れようとした・・・だけど・・・どうしても忘れようとすると数時間前お兄ちゃんが式で敵を殺したところが蘇って恐怖を呼び込む・・・・・どうしたら・・・私・・どうしたら良いの・・・お兄ちゃん・・・。どうしたら、藁にもすがる思いでこの原因を作り出した、人の方を向いた、そしてその人の顔を、お兄ちゃんのあまりにも悲しそうな今にも一人になったら大泣きしだしそうな顔を見て、私は勘違いをしていたことに気付く、だれよりも恐怖を感じているのはお兄ちゃん本人だ、たとえ殺すことに躊躇がなかったとしてもそれでその人を殺したことに対する恐怖を感じないとは限らない、何故か急に体から恐怖が薄れていく、忘れちゃいけない私が忘れたらお兄ちゃんが泣けない、泣けなくなっちゃうと思うから、もう体には恐怖を感じられない、いいや違う、恐怖は感じるけどそれよりも今は、そう思い椅子から立ち上がり、お兄ちゃんの所に行き、みんながこちらを見るなかそっと抱いてあげた。そしていつも私が泣きそうになったりした時みたいに、お兄ちゃんがしてくれるみたいに、あたまをなでながら、喉の奥から必死に声を絞り出した。


「泣いて・・・・良いんだよ」


その声を聴いた瞬間お兄ちゃんは泣いた。

おはこんばんはなすび~です。なんか今回は話がちょっとべただったでしょうか

「泣いても良いよ」なんて結構使われてるような気がしたんですが俺的にこの言葉はとても好きなんでこの言葉にしました。

また次回も見てくれるとありがたいです。

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