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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

低身長高校生の俺、突然「女装してくれ!」と彼氏にお願いされる

作者: 九重ネズ
掲載日:2026/06/03

こちらは、南雲皐様主催企画「2026南雲皋爆誕三題噺」参加作品の全年齢BLです。

「あつい」「拍手」「リボン」の三つのお題が入っています。

南雲さん、お誕生日おめでとうございます!

それは、正に青天の霹靂だった。


「頼む、拓実!俺を助けると思って、メイド服着て女装してくれ!」

「は、はぁ!?」


高校の文化祭が始まる数日前の放課後。俺は、幼稚園からの幼馴染であり恋人の正一郎に、先程のような変なお願いをされた。

確かに、俺の身長は160しかない、ただの筋肉と皮と骨しかない男だ。

それでも!れっきとした男である俺に、女装を頼むとかおかしいだろ!


「なんで、俺が女装しないといけねぇんだよ!俺はなぁ、今年の文化祭はずっと、お化け屋敷の布オバケでお客さん驚かせようと躍起になってんだよ!」

「ひぃっ!で、でも、小柳さんが季節外れのインフルになっちゃって、メイドが減っててさぁ」

「そもそも、俺とお前のクラスは違うだろ、このボケ一郎!」

「わああああ!ごもっともなんだけどぉ!」


あぁ、もう頭に来る!

正一郎はビビリでオドオドしてて、なのに一丁前に話を振る勇気はある。

そういうところは讃えたいが、俺は短気な方だから、つい大声で怒鳴ってしまう。

今もそうだ。やりたくない事をさせられそうになって、怒りが抑えられなくなっている。


だが、基本的に何があっても俺を優先してくれる正一郎だからこそ、今回の件は俺の反対を押し切ってまで通したいのだろう。


俺はスッキリするまで暴言を吐いた後、盛大なため息をついて腕を組んだ。


「ったく、こんな罵詈雑言を浴びせたというのに、お前は逃げずにこの場にいるよな。そういうの、呆れ通り越して、むしろ尊敬するわ」

「え、えへへ。だって、好きな子の言葉はなんであれ、受け止めたいからさ」

「キッショ。やっぱりお前はビビりなドMだな。でもまぁ、そういう所も嫌いじゃねぇけどな。あー……お前のクラスのメイド・執事喫茶に、助っ人で入ればいいんだろ?やってやるよ、メイドとやらを」

「へ?や、やってくれるの!?やったあああああ!!拓実大好き!」


俺の返答が嬉しかったのか、正一郎は俺を真正面からギュウギュウに抱きしめた。

正直、身長185もある筋肉ムキムキ男に抱きしめられるのは、結構苦しい。

けど、その苦しさでさえも、今では愛しさに変わってるから、大概俺も絆されMなんだろう。


とにかく、俺は正一郎の頼みを呑んで、文化祭当日にメイド喫茶の助っ人になったのだった。






……のは、良いんだが……。


「なんで、俺の着るメイド服が、こんなピンクリボンが大量についたミニスカメイドなんだよ!しかも、上暑いし!下スースーするし!6月なのに長袖っておかしいだろ!」


文化祭当日。俺は控え室の教室で、正一郎に渡されたメイド服に袖を通していた。

近くにいるのは正一郎のみ。しかも大号泣しながら、大きな拍手を何回もしていた。


「ゔぁああああああ!!死ぬほど可愛いよ、拓実いいいいい!!生まれてきてよがったあああああああ!!」

「ああもう、叫びながら壊れた猿のおもちゃみたいに拍手するな!これでも恥ずかしいんだからな!」

「それでも可愛いいいいい!!ありがとう神様仏様拓実様ああああ!!」

「……ったく、全然話聞いてないな、こいつ」


腰に手を置いて、ため息をつきつつ、目の前の恋人をジト目で見つめる。

ふと、俺の腕のリボンに目をやると、どうやらそれは安全ピンにくっついている事が分かった。

メイド服自体なら多少は我慢できるが、これはやはり見過ごせない。

だが俺は知っていた。俺のことが好きな正一郎のことだ、嫉妬で釣れば上手くいくかもしれない。


俺は正一郎の近くまで歩いていき、微笑みを向けながら彼の耳元でこう囁いた。


「なぁ、正一朗。俺にこれを着せたのは、お前にとっていい事だとは思う。が、本当にいいのか?きっと、他の男や女に『可愛い』と言われて俺がもみくちゃにされる。ゆくゆくは、俺が他の馬の骨か分からない男に連れ去られて、あんなことやこんなことを、されるかもな」

「んなっ!?や、やだ!拓実の可愛さは俺だけ知ってればいいから!じゃあもう脱ごう?こんな可愛い恋人を、誰にも見せたくなくなった!」

「……ははっ、バーカ!せっかく漢気溢れる俺がメイド服着て助っ人になるんだ。それは諦めろ。ただし、リボンは全て安全ピンでついてるだろ?全部はずしたら、多分回避できるぜ?」

「う、うん!全部、リボン全部外すから!だからこんな優柔不断な俺を、嫌いにならないで……」

「バーーカ!嫌いにならねぇよ。好きな男の頼みなら、こんなの余裕だし。な」


俺は思いっきり笑って正一郎の腕を引っ張り、彼に頬にキスを一つ落として満足げな顔を浮かべた。



かくして、正一郎のクラスのメイド・執事喫茶は、俺のビジュと働きのおかげで大繁盛。学年トップの売上高を記録したのだった。






<おまけ>

「そういえば、拓実のクラスのお化け屋敷はどうだったの?」

「んあ?まぁ、繁盛したんじゃね?知らんけど」

「ええっ!?お化け拓実、見たかった……」

「だろうと思った。家帰ったら見せる」

「わああぁぁ!ありがとう、拓実!大好き!」

「ははっ、知ってる」

ここまでお読み頂き、ありがとうございました!


よろしければ、感想や「☆☆☆☆☆」の評価、いいね等つけて下されば幸いです!よろしくお願いします!(^^)

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― 新着の感想 ―
ナチュラルに恋人同士だった(笑) 女装メイドさん有難うございます! にぎやかな二人を楽しく拝読させていただきました♪ヾ(*´∀`*)ノ好きー♪ 三つのお題が自然に入ってて面白かったです!!
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