小学生期4
いの中を借りる狐とは良く言ったものだ。
和樹と一緒に歩いてるだけでいじめはないし毎日が嘘のように楽しくてたまらなかった
ただあんな事があったにも関わらずいじめグループはまだ俺たちにちょっかいを出してくる事がある
それを和樹が追っ払ってくれる
そんな日々がこの先ずっと続いて行くんだと勝手に思い込んでいた
むしろ何の力もないくせにただ和樹の横にいるだけのちっぽけな俺はその時まで調子に乗っていたと思う
学校終わりも和樹と一緒に遊んでいた
ただ思い返せばその行動1つ1つが世間で言う非行なのだと
そんな事を思われてるとは露とも知らずただ和樹と一緒にいる事が本当に楽しかった
授業中なんて教科書は開かずノートは閉じたまま
体操の時間なんて体操着忘れました。と言って先生から拳骨もらおうが2人一緒なら何も怖くない、むしろそれすら楽しく感じた
そんな行動が担当者教師の目に余ったのだろう
ある日の授業中に先生がいきなりこっちを睨みつけ教壇前に呼ばれた
こいつの名は杉浦。女教師である
思い返せば小学1年で教科書、ノート開かずまともに授業受けない奴なんてまともじゃない
そんな事を思ったのかは知らないが呼ばれた2人は思いっきり何度もビンタされ細い竹の枝で太ももの内側を何度も叩かれた
体罰教師だった
頬は赤く腫れ太ももはミミズ腫れ
今では考えられないかもしれないが昭和なんてこんなのが当たり前だった
だから親御さんも体罰にたいしてかなり鈍感だった
それからと言うもの何かあれば体罰の標的とされた
ただ俺は和樹と一緒だから同じ痛みを共感していると思うとそれすら楽しくて仕方なかった
そんなある日
登校するといつも居るはずの和樹がいない
その時の俺はかなり楽観的に考えていたと思う
朝の会に杉浦から今日は下村和樹君は病欠のためお休みです。と言われた
まだ楽観的だった
朝の会と1時間目の授業が始まるまでの少しの時間帯に事が起こった
後ろからいきなり首を腕で絞められ両足首をがっつり押さえられ身動き取れない自分にめがけて3人がにやにやしながら下村いないお前なんか怖くねーよ!と言ってボコボコにされた、、、
そこから1日が本当に長かった、、、、
授業中はまとめた紙が投げられトイレに行こうとすればニヤニヤしながらついてきて用も足せない
授業と授業の合間はまた同じように抑えつけられ叩かれる
給食後の昼休みには運動場にある通称裏山に連れて行かれ取り巻きが持ってきた牛乳を頭からかけられたり俺めがけて投げつけられたりした
時間が過ぎるのをただ耐えるしか出来なかった
昼休み後は一斉清掃があるので牛乳まみれのまま掃除用具を取りに行こうとしたら
生乾きの臭いの俺の事を周りはすごい視線でみてきた
臭!!何の臭い!?
え?三浦くん!?
何で?
あははは、あははは!うわーくっせー!!
あははは、やべー!近寄るなよ!!
周りからの心無い言葉に自分の心をえぐられた
久しぶりにその場に立ちつくした
悔し涙が頬を流れてる、、
あ、、、涙ってこんなに暖かいのか、、なんて今でもこの事は覚えている
そんなひ弱な自分が情けなくて情けなくてたまらなかった
何も考える事もできず、ただまた何されるか分からないと言う恐怖だけが理解できた俺はその汚れたまま何も持たずに帰宅した
幸い自宅には誰もいなかった
服を脱ぎ洗濯機に入れそのまま風呂場へ水を浴び居間でぼーっとしていた、、、
さっきまでの事を考えると明日なんて学校行きたくないなーなんて思ってたが、、
今では引きこもり、ニートなんて言葉はあるが当時の昭和はそんなの通用しない時代だった
明日から学校どうしよう、、なんて考えてるうちに兄、母親と帰宅してきた