50.二章エピローグ
ドワーフ国カイ・パゴスでの事件を解決した後……。
私たちはキンサイの船で、ゲータ・ニィガへと戻っていた。
「かー、疲れた~……」
寝室にて。
私はアンチを抱っこしながら、ベッドにごろんと横になっている。
ドワーフの勧誘成功のあと……。
私はドワーフ国王に呼び出され、大変感謝された。そして……まあいろいろあったんだ。いろいろ。
でもまあ今は国がごちゃついてるし、大変だろうってことで、お礼は後日してもらえることになった。
別にお礼なんていらないんだけどね。私がやりたくてやったことだし、それに目的も達成できたしな。
まあ国益につながることっぽかったので、謝礼はきちんと受け取るつもりだけどね。
「かぁたま……かえったら、いっぱいお休みましょ!」
休み……つまり、かまって欲しいってことか! よっしゃ任せろ!
「おお、アンチ~。すまんなぁ、帰ったらいっぱい遊んでやるからなぁ~」
「ぶー、違いますっ」
あらま、違うのか。
「んじゃどういうこと?」
「かぁたまお疲れです。きちんと休みとってください」
おぉ……アンチぃ~。おまえよぉ、ほんと女性に対して紳士的だなぁ!
私はアンチを抱っこしながら言う。
「おまえは本当にやさしいな。でもな、あんまり女に優しくしちゃいけないぞ」
「う? どうして?」
「母様おまえを他の女の元に送りたくないからだよ」
アンチはアスベルの息子だ。数年もすればイケメン皇子ってことで、女子からわーきゃーと黄色い声があちこちから聞こえてくるようになるだろう。
加えて、この女性に優しい真摯な面もあるのだ。
持てない訳がない! ああ駄目だ! 私のもとをさらないでおくれい!
「どこにもいきませんっ。ぼくは、かぁたまのお側にいます!」
「くふぅう……!」
好きぃ~。
とまあ息子を溺愛してると……。
「セイコ。まもなく港です」
「おう。んじゃ、下船準備だな」
私はアンチを抱っこしながら、仲間達とともに甲板に出る。
「おーい! 皇后様ぁ……!」
メイドのメメ、有能執事ユーノを初め、帝国の連中が港にて、手を振っていた。
通信機で帰る旨は伝えておいたが……。
「どうやら皆待ち遠しかったみたいですね。セイコが帰ってくるのを」
「…………」
私を待つ人たちがいる。帰りたい場所がある。……そう、もうこの世界は、私にとって第二の……いや、真の故郷といえた。
彼らが笑顔で手を振ってくる。
私も、ばっ、と手を上げて彼らに応えた。
「ただいま! 帰ってきたぞぉ!」
「「「おかえりなさぁーい!」」」
【☆読者の皆様へ】
これにて2章完結です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
セイコの物語はまだ続きますが、一旦ここで区切らせていただきます。
3章開始は少々お待ちくださいませ。
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