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40.魔除け



 ……私はゆっくりと目を開ける。

 

「生きてる……ね」


 生きてることに安堵する。どうやらちゃんと、気絶する前に飲んだものが作用したようだ。

 私が飲んだのはトン汁の残りだ。

 私の造ったこれには、食べると無敵になれるという効果があったからな。


 まあ大丈夫だろうと(検証もすんでたし)は思っていたが、生きてることにホッ……とする。アンチ、アスベル、大丈夫だったよ私は。


 さて。状況を確認だ。

 私はどうやら仰向けに倒れてるようだ。

 分厚い雲が空を覆っている。


 ゆっくりと体を起こす。

 周りには木々が生い茂っていた。

 山の麓にでも流されてしまったんだろうか。


「……!」


 周りを見渡すと、そこには、たくさんの魔物がいることに気づいた。

 くま、狼、鹿など……。どいつもAランクのかなり厄介な魔物であることが、鑑定持ちの私にはわかった。


 ……死を、覚悟した。が、どうにも様子がおかしいことに気づく。


「なんであいつら、近寄ってこないんだい……?」


 魔物達は私という餌を前にしても、しかし、襲いかかってこないのだ。

 かといって、逃げる様子もない。何か目の前に結界でもあるような……。


「ん?」


 私は足下に何かがあることに気づいた。

 雪の下から生えているのは、青い色の花。


「なんだいこりゃ……? 【青月草そうげつそう】……?」


 とても良い匂いのする花だ。

 そして……鑑定スキルで読み取った情報によると……。


「! 魔物が苦手な匂いを発する……だって!?」

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